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陸上自衛隊に初の女性空挺隊員が誕生
「空挺隊員になる」幼い頃からの夢を叶える
陸上自衛隊・第1空挺団は3月4日、第319期基本降下課程の修了式を習志野駐屯地で行った。第319期では、初の女性空挺訓練生の橋場麗奈3等陸曹が訓練を修了し、陸上自衛隊として初の女性空挺隊員が誕生した。橋場3曹の職種は衛生科で、自衛隊体育学校(朝霞)の第2教育課 ラグビー班(女子)に所属している。今後の定期異動で空挺団に配置となるが、具体的な配置先は本人の希望と適性などを勘案して、今後決定するということだ。
防衛省・陸上自衛隊では2017年に空挺団への女性の配置制限を見直し、女性自衛官にも門戸を開放していた。しかし、空挺降下資格を取得するための基本降下課程の入校条件(体力検定や身体検査など)は男女ともに変わらないため、これまでに女性隊員1名が希望を出したものの、入校までに至らず原隊復帰していたという。このため、橋場3曹が初の空挺訓練生となる。
第319期基本降下課程では女性自衛官は橋場3曹だけだったが、全国の部隊から集まった約100名の同期隊員とともに入校。約5週間の課程期間中、航空自衛隊のC-1やC-2、C-130といった固定翼輸送機からの降下を5回やり遂げたという。
修了式では、空挺教育隊長の中村英昭1等陸佐が橋場3曹を含む96名の隊員に空挺徽章を付け、「敵中の挺身降下は決死の使命感を必要とするが、航空機から一歩踏み出したことで、空挺隊員としての誇りと死生観を自覚したものと思う」と訓示し、日々の精進と同期との「傘の絆」を求めた。
小学校の窓から見た落下傘降下の姿に憧れ入隊
女性隊員が後に続けるよう、空挺団で精進したい
修了式後に橋場3曹は報道陣の取材に応じ、基本降下課程を修了した感想を「幼い頃からの夢だった空挺隊員になることができ、非常にうれしく思う」と述べた。また、習志野駐屯地近傍の千葉県八千代市出身であることから、「小学校の窓から空挺隊員の落下傘降下の様子を見て、かっこいいと思い、空挺隊員になりたかった」と、陸上自衛隊に入隊した理由を語る。自衛隊志願時は、空挺隊員になるための門戸は女性に開放されていなかったものの、募集を担当している自衛隊地方協力本部広報官からの「いつか道は開けるから」という言葉を信じて入隊。空挺団への女性の配置制限を見直しを受け、「やっと自分の夢が叶う」と思い、約1年半前から体力素養面で不安がないようにトレーニングを行い、入校したという。・・・
第1空挺団は性別関係なく高い意欲や能力等ある人材求める
※写真=空挺教育隊長の中村英昭1等陸佐が空挺徽章を橋場麗奈3等陸曹の制服に付ける。ここに陸自初の女性空挺隊員が誕生した
※写真=インタビューに答える橋場3曹。空挺隊員になるという幼い頃からの夢を叶えた
※写真=橋場3曹の訓練の様子。空挺隊員は落下傘や背嚢など装具類合わせて60キログラムを背負う(提供:陸上幕僚監部)
※写真=何度も降下要領を演練し、実機上で動揺しない様に身体を慣らす(提供:陸上幕僚監部)
※写真=実機での降下の様子。高度約340メートルからは地上の街並みがまるで「オモチャ」の様に見える(提供:陸上幕僚監部)