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航空需要1月、2.4%増も2010年4月以来過去最低の伸び
経済成長鈍化や新型コロナ、複数要因で減速基調より鮮明に
新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、世界の航空ネットワークに抜き差しならぬ影響を及ぼしている。中国・アジア市場に端を発した航空ネットワークへの影響は、感染者の拡大と共に世界各地に飛び火。国際航空運送協会(IATA)が3月4日(ジュネーブ現地時間)に発表した今年1月の航空旅客需要動向によれば、ここ最近、米中貿易紛争に端を発した世界経済の停滞に伴って成長が鈍化していた航空需要に更に強力なブレーキがかかっている様相だ。
IATAが発表した国際線・国内線をあわせた航空市場動向によれば、航空需要を表すRPK成長率は、全世界平均で前年同月比2.4%増加。座席供給量を表すASKは1.7%増加しており、平均搭乗率(PLF)は0.6ポイント増加した80.3%となった。
IATAによると、前月・12月のRPKは対前年同月比4.6%増加していたが、1月の需要の伸びは急速に鈍化。RPKの成長率が2.4%に留まったことは、2010年4月以降、もっとも低いRPKの成長率となった。この2010年4月は、アイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル火山が噴火。その噴煙が欧州の一部空域を覆ったことで、一部で飛行禁止措置が講じられたほか、各地の空港が相次いで閉鎖されるなど、欧州の空の便が大混乱を来した。
1月成長鈍化要因、「新型コロナは氷山の一角」
ジュニアックCEO、「世界的な危機」と政府支援呼びかけ
国際線需要、前年比+2.5%に留まる
ラテンアメリカの需要は3.7%減少
国内線、中国市場のRPKは-6.8%と大幅減
米国国内線は+7.5%と躍進
※写真=IATAが発表した1月の旅客需要動向をみるとRPKは前年同月比2.4%増加。2010年4月以降、もっとも低成長な月となった(提供:IATA)