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2020.03.11

ウイングトラベル

20年度はリーマンショック級の業況悪化想定も

帝国データ「業界天気図」、新型コロナが大打撃

 帝国データバンクは、2020年度の「業界天気図」を発表したが、新型コロナウイルスの影響は既にSARSを超えて各産業に大打撃を与えているとして、今後はリーマンショック級の業況悪化も想定する必要が出てきているとの厳しい展望を示した。
 同調査では、100業界197分野の業界動向について、2020年度の業界天気を予想し、展望とポイントをまとめた。それによると、2020年度の業界展望は、「晴天」と予想される分野が75(前年度比+3)、「雨天」と予想される分野が51(同+7)。「晴天」は2年ぶりに増加するものの微増な一方で、「雨天」が50を上回るのは4年ぶり。総じて全体の業況は足踏み局面が続き、製造業などの一部業界では後退すると見通した。
 この結果、業界天気が「改善」する分野は11、「悪化」するのは16となり、2年連続で「悪化」が「改善」を上回った。2年連続で「悪化」が「改善」を上回るのは、リーマンショックが発生した2006〜2009年度(4年連続)以来、11年ぶりとなる。
 今後の見通しでは、国内各産業は新型コロナウイルスの対応に追われており、通常の経済活動に支障を来しており、帝国データバンクの調べでは、新型コロナにより業績にマイナスの影響が出る企業は6割超、既にマイナスの影響が出た企業は全体の約3割に達する。SARS流行当時の2003年調査では、SARSの影響で業績に「マイナスの影響あり」と答えた企業は17.1%にとどまっており、新型コロナの影響度は既にSARSを超え、各産業に大打撃を与えている。
▼旅行=薄日/薄日/東京五輪開催、3連休が5回、4連休が2回あるなど旅行業界に好材料多数。新型肺炎の影響が懸念材料
▼ホテル・旅館=快晴/快晴/東京五輪効果で増収を見込むが、競争は激化。新型肺炎の影響も懸念される。損益面はばらつく可能性
【運輸】
▼航空旅客=薄日/薄日/国内・国際線ともに堅調を見込むが、新型肺炎の影響や燃料費・人件費の増加など不安材料も
▼鉄道=薄日/薄日/増収傾向が続く見通しも、営業エリアにより損益面には差が出る。MaaSなど新たなサービスに期待

 

※写真=「業界天気図」の一部(帝国データバンク調べ)