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2020.03.12

WING

エアバスヘリ神戸事業所、日本に留まらずアジア太平洋市場に

累計投資数十億円、4年間で17%人員増強など今後も投資継続

 エアバス・ヘリコプターズ・ジャパンのギヨム・ルプランス社長が取材に応じて、格納庫の拡張工事が完了した神戸事業所について、「神戸事業所の拡張は、我々の成長戦略の一環」であることを強調。「日本市場に対する直接投資を行うことによって、日本のお客様に対するサポートを充実・強化することができるのみならず、アジア地域においても神戸事業所が主要な役割を果たす」と話し、日本市場の顧客サポート強化に留まらず、広くアジア太平洋市場を見据えたエアバス・ヘリコプターズの戦略であることに言及した。
 エアバス・ヘリコプターズによる神戸事業所に対する直接投資額は、2012年の神戸事業所開設以降、累計で「数十億円規模の投資を神戸事業所に投じてきた」とのこと。「昨年から人員増強に乗り出しており、4年間でスタッフの数を17%拡大する計画だ。2020年も積極的な新規採用を計画している」ことを明らかにした。
 また、世界のヘリコプター市場を取り巻く環境についてルプランス社長は、「米中貿易紛争などによって経済にも影響が及び、ヘリコプター市場も影響を受けている」とコメント。「例えばオイル&ガス市場は昨年に引き続き弱含みで推移しており、市場は停滞している」と説明。その上で、「民間・官公庁市場においても市場が縮小しており、2018年と比較して2019年は約15%発注が落ち込んでいる状況だ」として、ヘリコプター業界にも強い逆風が吹き荒れていることに言及した。
 一方で日本市場については、「力強い回復力がみられているとして、「主にこれは機体更新において行われているものであって、警察、防災関連の需要が中心だ。成熟した市場だが、着実に伸びている市場」との見方を示した。
 また「我々は機体OEMのなかでも、日本市場でトップのシェアを確保している。日本国内のMRO市場においても2%の成長力がみられた」として、日本市場は成熟した市場ながらも、堅調な市場成長がみられることに触れた。

 

神戸事業所拡張、日本との約束を実現するもの
顧客が運航に集中できる環境を整備

 

神戸発のエアバスヘリのアジア太平洋戦略とは?

 

デジタル技術採用を促進

 

空飛ぶクルマなど将来モビリティで日本市場視野に
まずはオンデマンドヘリサービスなどエコシステム開発を

 

初飛行した無人偵察ヘリVSR700
防衛省ニーズにも対応と自信

 

日本の防衛市場シェア拡大向けた次世代PBL提案
陸自・海自にRFI提出、2022年中の稼動目標

 

※写真=エアバス・ヘリコプターズ・ジャパンのギヨム・ルプランス社長(提供:エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン)

※写真=神戸事業所の格納庫拡張工事を完了した(提供:エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン)

※写真=格納庫を増築したことで日本、アジア市場の顧客ニーズへの対応能力を一層強化(提供:エアバス・ヘリコプターズ・ジャパン)