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2020.03.16

ウイングトラベル

感染拡大で日本からの入国制限56カ国に倍増  

自国防衛へ新型コロナ水際対策、新たな段階

 新型コロナウイルス感染症は、新たな段階に入ったようだ。外務省がまとめた新型コロナウイルス感染症の防止策として、わが国に対する入国制限は一挙に倍増して56カ国・地域に増加した。一方で、わが国も中国・韓国を始めとして入国制限を強めており、世界全体が自国防衛の水際対策として他国への入国制限を強めている。
 入国制限が始まった当初は、感染者がまだ確認されていない国々が島嶼地域を中心に、1人も出さない水際対策として入国制限措置を課していたが、現在は新型コロナウイルスが世界全体に広がっていることから、自国の感染者増に歯止めを掛けるため、感染確認国に対して水際対策として入国制限を課している。
 米国は欧州26カ国からの入国禁止措置を取り、それを英国、アイルランドにも広げた。これにより、米国の新型ウイルス感染症の患者数の伸びは鈍化傾向にあり、欧州からの入国制限は一定の効果を上げている。
 また、欧州では各国が非常事態宣言により、空港閉鎖、国境封鎖などの徹底的な水際対策の強化を始めている。
 日米間は現在、入国制限措置が取られていないが、日本の感染者数の加速度的に増加すると、米国が入国制限を課す可能性もある。日本では、新型コロナウイルス感染症に対する政府の措置に強制力が伴わないことから、アジア、欧米と比べて危機意識が薄いとの指摘もある。
 入国後に行動制限を課す国・地域は84カ国・地域に拡大した。各国の感染者がさらに増加すると、行動制限から入国制限に水際対策を強化する国々が続々と出てくることが予想される。

 

※世界の新型コロナウイルス感染症例(WHO調査)