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2020.03.17

WING

小惑星「リュウグウ」、実はスカスカ隙間だらけ

ふわふわダストから稠密天体への成長過程か

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月16日、小惑星探査機「はやぶさ2」が着陸・探査した小惑星Ryugu(リュウグウ)は、隙間だらけの物質で構成した天体であるとの観測結果を明らかにした。JAXAによれば、「はやぶさ2」到着前の予測に反した結果だったとしている。
 「リュウグウ」のようなC型(炭素質)に分類される小惑星は、46億年前の太陽系形成時の始原的物質を保存している「化石」と考えられいるが、一方でどんな物質がどのように集まって形成した天体なのかは、ほとんど分かっていないという。
 そうしたなか研究チームは、「はやぶさ2」に搭載した中間赤外線カメラ(TIR)を使ったサーモグラフィで、史上初めてC型小惑星の全球撮像を連続1自転分実施し、そのデータを解析。その結果、・・・

 

※画像=実は隙間だらけの天体だった「リュウグウ」。JAXAら研究チームの解析結果でふらふわなダストから稠密な天体への成長過程にある天体ではないかと推定された。高度70mでONC-W1より撮像。撮影日(日本時間):2018年9月21日13時02分頃(提供:JAXA)

※画像=左の図は小惑星リュウグウの1日の最高温度の分布。右のグラフは、各地点で観測された一日の温度変化(□マーク)と理論計算に基づく予測値(実線と破線)の比較。理論計算では一様な熱慣性を仮定し熱慣性の値を変化させて計算している(提供:JAXA)

※画像=小惑星「リュウグウ」の形成過程イメージ(提供:JAXA)