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2020.03.18

WING

航空局、5月30日まで国際全線でU/Lルール一時停止  

 混雑空港の発着枠の有効活用のために設定されているU/Lルールについて航空局は、国際線全路線を対象に3月15日から5月30日まで適用を除外することを決めた。航空局によれば、中国路線は去る1月26日から、韓国線については3月1日から適用を除外しているという。
 欧米当局もU/Lルールの一時停止を発表済みだ。航空局としてもU/Lルールの運用を一時的に適用を除外することで、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要減退およびネットワーク縮減に苦しむ航空会社を支援する。
 IATAは全夏ダイヤ期間中までのU/Lルールの適用を除外することを求めているが、航空局は今回、5月30日までとして区切った。この点について航空局は、各国の適用免除の状況も鑑みながら免除対象の期間を5月30日まででひとまず区切ったとしている。
 U/Lルールは各航空会社が配分された発着枠を80%以上、実際に使用しなかった場合には、翌年において、当該発着枠に対する優先権を与えないという発着調整のためのルール。自然災害やテロなど、航空会社の責めによらない不可抗力により需要が減少した場合においては、その適用を一時的に停止することが可能だ。
 日本の航空局でも過去にU/Lルールの運用を一時的に適用除外したことは複数回あって、例えば9.11同時多発テロ、リーマンショック、東日本大震災、そして787型機でバッテリー問題が発生した時に、U/Lルールの運用が一時的に停止されたことがある。直近では2018年冬ダイヤにおいて、ロールス・ロイス製Trent1000エンジンがトラブルを起こしたことを受けて、同エンジンを搭載した787型機については、U/Lルールの適用を免除した。

 

※写真=航空局は3月15日~5月30日までU/Lルールを適用除外とすることを決めた。苦境に喘ぐ航空会社を支援する。写真は成田空港(提供:NAA)