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ボーイング、シアトル近郊工場で14日間生産停止
新型コロナで航空機製造業にも深い傷
ボーイングは3月23日(シカゴ現地時間)、ピュージェット湾地域におけるボーイング各工場の生産活動を、一時的に停止することを発表した。対象となるのはエバレット、レントンといった民間航空機の主力工場や同地域にある部品製造・加工施設など、同地域のボーイング工場が対象。ボーイングは3月25日から14日間に亘って、生産を停止することを決めた。ボーイングとしては生産停止による影響を最小限に抑えたい考えで、今後数日間に亘って顧客と緊密な連携を図る。この期間を通じて顧客がボーイングからサポートを受けることができることを保証する計画を策定する考えにあるほか、航空会社、政府機関などに対する重要な流通業務およびMROサービスは継続する。
新型コロナウイルスの感染拡大でワシントン州が緊急事態宣言を発したほか、ボーイング社内でもエバレット工場で感染者が発生。その後感染者が死亡するなど、ボーイング社内はもちろん、お膝元であるピュージェット湾エリアでは混乱が続いている。
世界的に入国・渡航制限措置が講じられるなど、航空会社がかつてない危機に直面しているが、機体を製造する航空機産業にも暗い影が着実に忍び寄ってきた。
欧州のエアバスは去る3月17日(アムステルダム現地時間)、欧州で感染拡大が急速に進んだことから、フランス、スペインの各拠点における生産・組立作業を4日間に亘って停止することを発表。そうしたなか米国でも感染者数が日増しに増大するなど、米国の社会生活にも深刻な影響を及ぼしつつあって、ボーイングとしても同社が根ざす地域における新型コロナウイルスの感染拡大加速状況などを評価し、同社のスタッフや家族、地域社会の幸福などを確保するために生産を一時的に停止することを決めた。・・・
エアバス、仏・西工場は部分的再開
中国の天津工場も稼働中
※写真=ボーイングがエバレット、レントン工場を含むピュージェット湾地域の工場を停止。停止期間は14日間にも及ぶ