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丸紅エアロスペースは陸自LAV後継にGDELS「EAGLE」を提案
防護力・機動力・拡張性を備え、ライセンス国産も考慮
陸上自衛隊が装備する軽装甲機動車(LAV)は、陸上自衛隊の装甲車として真っ先に思い浮かぶ人も多いのではないだろうか———。小松製作所が開発・製造したLAVは、2001年(平成13年)度予算で普通科部隊の機動力の向上などのために調達が開始され、以後2016年(平成8年)度予算までに1800両を超える車両が陸上自衛隊の普通科部隊や偵察隊などに配置。また、航空自衛隊でも基地警備隊向けに導入され、こちらも100両以上が導入されており、陸自および空自部隊の装甲化に大きく貢献した車両だ。
特に2003年から2009年まで行ったイラクへの人道復興支援活動やハイチ派遣国際救援隊、国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)での施設部隊等の派遣など、海外においても活躍した車両となっており、正に陸上自衛隊の可能性を拡大した車両と言ってよいだろう。
しかしながら、調達開始から20年近くが経過する中、開発元の小松製作所は新規車両の開発を中止し、防衛産業から撤退している状態となっており、LAV後継車種の見通しは立っていない状況だ。
本紙では、現段階で正式に選定は始まってはいないものの、陸上自衛隊に対しLAV後継車種の提案を行っているという、丸紅エアロスペースに取材を行い、GDELS(ジェネラル・ダイナミクス・ヨーロピアン・ランドシステムズ)製の軽装甲車「イーグル(EAGLE)」について、話を聞くことができた。
「イーグルIV/V」を陸上自衛隊に提案
6x6など派生型も「要望あれば提案できる」
この「イーグル」は、GDELS傘下のスイス・モアク社が開発した装輪式装甲車で、4輪式の「4x4」と6輪式の「6x6」の2つのモデルがある。また、「イーグルI」から「イーグルIII」までは米国の「ハンヴィー(HMMWV)」のシャーシをベースとしており、最新型の「イーグルIV」と「イーグルV」ではモアク社が製造する汎用車両「デューロ(DURO)」のシャーシをベースとしている。
2020年2月現在、「4x4」がドイツ、スイス、デンマークで採用されているほか、「6x6」はスイスに採用されている。
丸紅エアロスペースが陸自に提案しているのは、・・・・・・・・。
ライセンス生産まであらゆる納入形態を想定
将来の整備体制構築も既に構想、業界に声掛け
※写真=丸紅エアロスペースが陸自LAV後継に提案するGDELS「EAGLE 4x4」
(提供:丸紅エアロスペース)