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2020.03.27

WING

欧州航空会社の危機、IATAが政府の緊急支援要請

航空業界の雇用喪失と各国経済に深刻な打撃も

 国際航空運送協会(IATA)は3月26日(ジュネーブ現地時間)、新型コロナウイルスの感染拡大で、欧州の航空会社が危機に瀕しているとして、各国政府に対して緊急支援を呼びかけた。新型コロナウイルスの感染拡大で、感染者数、死者の数ともに爆発的に増加した欧州。その空は今やかつてない危機に直面している。
 IATAは、欧州の航空会社による潜在的な収益損失の最新のIATAシナリオは760億米ドル(日本円:約8兆3039億円)規模にのぼり、旅客需要は2019年と比較して46%も下回ると予測した。そのため欧州航空業界の約560万人の雇用、そしてGDPに対して3780億ドル(約41兆2581億円)もの巨額のリスクをもたらすと警告した。
 IATAが欧州の主要各国における新型コロナウイルスの影響を分析したところによると、英国では旅客数が1億1350万人減少し、217億ドル(2兆3500億円)の損失が発生すると予測。40万2000人の雇用と327億ドル(3兆5500億円)のリスクを英国経済にもたらすと予測した。
 スペインでは9370万人の旅客減少と130億ドル(1兆4100億円)の損失が発生し、スペイン経済における75万人の雇用と494億ドル(5兆3600億円)ものリスクが、さらにドイツでは8440万人の旅客減少と130億ドル(1兆4100億円)の収入減に見舞われ、ドイツ経済における40万人の雇用と280億ドル(3兆400億円)の危機だと警鐘を鳴らした。
 また、新型コロナウイルスが猛威を振るっているイタリアでは、6770万人の旅客減少および95億ドル(1兆300億円)の損失が発生すると予測。イタリア経済における25万6000人の雇用および674億ドル(7兆3200億円)がリスクにさらされると分析した。
 そしてフランスでは6500万の旅客数減少と120億ドル(1兆3000億円)の損失が発生すると分析。これによりフランス経済において、31万8000人の雇用および285億ドル(3兆900億円)がリスクに直面するとした。
 IATAはこうした損失がもたらす欧州経済全体にわたる広範囲な被害を最小限に抑えるためには、政府が業界を支援するための取り組みを強化することが不可欠であることを強調。ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、スペイン、イタリアなど政府はすでに行動しているものの、さらなる支援が必要であるとし、直接的な財政支援、ローン保証、さらには税金軽減策など、複数の支援メニューの必要性を訴えた。

 EU規則261の速やかな一時改正を
 緊急事態で政府に更なる規制免除要求

 IATAのラファエル・シュヴァルツマン氏は「航空輸送業界は経済的エンジンだ。欧州全体で最大1220万人の雇用とGDPで8230億ドルを支えている」ことを強調。「政府は航空輸送業界の重要性を認識しなければならず、そのサポートは緊急を要するものだ」として、迅速な政府支援を訴えた。
 さらに、「渡航制限が解除された際に、航空会社が迅速に運航規模を拡大できるようにすることで、欧州および世界の経済が飛躍的に循環し、広範な経済的損失を回避できる」ともコメント。その上で、資金的な援助に加えて、各国の規制当局に対しても救済措置を講じることを求めた。
 IATAでは規制当局に対して、すぐにもEU261の一時的的な改正の必要性を訴えている。・・・・・・・。