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成田四者協、一戸残し・内窓設置拡大など課題対応へ
地域づくりの実施プラン、状況合わせて成長
成田空港に関する四者協議会は3月27日、第23回会合を千葉県内のホテルで開き、さらなる機能強化に関する各種取組みについて意見交換を行った。特に空港の機能強化に当たって残された課題の対応について確認。それとともに空港周辺の地域づくりに関する「実施プラン」の策定に至った。そのため、国・千葉県・空港周辺9市町・成田国際空港会社(NAA)の四者は、空港の更なる機能強化を本格的に推進する環境が整ったとして、地域づくりと対策をともに進めていくことを確認した。
ただ、実施プランについては、圏央道整備や空港の第3滑走路供用開始など、今後空港内外で大きく状況が変化する状況に合わせて、その都度策定内容などを見直しする“成長する実施プラン”とした。四者共同で中長期的な将来像を地域に提示し、四者の各種計画と連携するという方針。さらに機能強化をチャンスとして、地域特性を活かした均衡ある発展を実現することで、持続的に発展できるといった内容だ。これに、会合後の会見で、具体性に欠けるなどの指摘があり、地域では具体的な道路整備の計画などが望まれている、などの意見が挙がった。これに協議会事務局は「それこそがまさに成長していく」ことだと説明。今後、機能強化が進展していくことで、環境が大幅に変わっていくことになる。そうなれば、要望や課題も変わっていくことになるため、その都度協議を開き、そのときに適したかたちへプランを成長させていくことになるのだという。
実施プランでは、更なる機能強化の経済波及効果として、空港内従業員が現在の約4.3万人から約7万人まで拡大する見込み。空港外も含めれば約6.4万人の雇用増加になるという。そこで、そのうち60%の約3.8万人を9市町居住者として、家族も含め約9.2万人の人口押し上げ効果を目標とする。9市町の人口推計は約32.8万人となっているところ、2032年時点で42万人目標とする。地域づくりに必要な取組みにおいて、今後必要な財源は四者で対応を検討して、解決に取り組むとする。従来は、成田財特法や周辺対策交付金で賄っていたが、それ以外に必要となれば、国の財政措置など関係主体で連携して要望活動を行う。またインフラについては、都心直結線を例として、四者で対応しきれないものは連携の上で関係者へ要望活動を行うこととした。
4月から3市町の一戸残し住宅へ移転補償
A滑走路西側へ内窓設置工事の範囲拡大
森田千葉県知事、新しいスタートライン
NAA田村社長は厳しいながらも中長期で拡大
※写真=四者協後の会見の様子