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世界の航空貨物2月、季節調整後需要は前年比9.1%減
新型コロナ影響が航空貨物業界を直撃、ACTKも4.4%減
国際航空運送協会(IATA)が4月1日(ジュネーブ現地時間)に発表した2月の世界の航空貨物実績によると、旧暦の正月および閏年の影響などといった季節調整後の航空貨物需要(CTK)が、9.1%もの大幅な減少に見舞われたことが明らかになった。これは新型コロナウイルスの感染拡大が、航空貨物需要にも悪影響をもたらしたため。ちなみに季節調整前のCTKは、対前年比1.4%の前年割れだった。
IATAによると、新型コロナウイルスの感染拡大で、世界最大の航空貨物市場の1つである中国では広範囲にわたる工場閉鎖によって製造業界からの需要が著しく落ち込んだことに加えて、政府の渡航制限により航空貨物需要が激減した。
さらに中国以外でも世界の輸出注文は歴史的に低い水準にまで落ち込み、世界の購買担当者指数(PMI)は縮小領域にあって、そこに輪をかけるように各国政府の渡航制限に対応した航空会社が旅客便の運航を削減した。その結果、ベリースペースを使った貨物輸送の供給スペースが大幅に減少し、グローバルサプライチェーンに深刻な影響を与えた。IATAによると、貨物供給スペースを示すACTKは、対前年比4.4%も落ち込んだという。・・・
※写真=世界の航空貨物市場を新型コロナが直撃。季節調整後の2月需要は前年比9.1%減となった(提供:IATA)