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2018.06.18

WING

米韓軍事演習の中止、対北朝鮮に不透明感

 小野寺防相、基地縮小など“検討していない”確認

 

 小野寺五典防衛大臣は6月15日の閣議後会見で、米国のドナルド・トランプ大統領が中止に言及した米韓合同軍事演習について、「現在、米韓間で調整がなされているもの」として防衛省としての明言を避けながら、日米韓の共同訓練の予定についても、相手国との関係もあり「その検討の有無を含めて回答を差し控えなければならない」と述べ、3ヵ国間の防衛協力のあり方について、不透明感をのぞかせた。一方で、日米韓3ヵ国間の安全保障・防衛協力は、地域の平和と安定を確保していく上で重要な柱だとして、先ごろ行われた米朝首脳会談以前からの認識に変わりがないことを強調した。
 小野寺大臣は、2ヵ月半ほど前に、米韓の軍事演習が北朝鮮へ対応を迫るために重要な役割を担っているという考えを述べ、それは今でも考えが一致しているという。米韓の演習に関しては、両国がそれぞれの部隊の技量向上に加え、両地域に「しっかりとしたメッセージを発出するもの」だと説明。対北朝鮮として、日本の安全保障に関わるとし、さらに3ヵ国間での様々な共同訓練について、地域にとって重要だという認識は共通している考えを示した。
 また、14日には米国のジェームズ・マティス長官と電話会談を行った。そこで在韓米軍について、在韓米軍の基地縮小などたずねたということで、マティス長官から「そのようなことは検討していない」と返答があったと説明した。それを受け「現時点で検討していないということ」だと話し、在韓米軍の体制に変更がない認識だという。
 さらにポンぺオ国務長官が述べた、2年半以内に北朝鮮の非核化を目指すという姿勢について、小野寺大臣は「トランプ政権1期目の任期を意図して発言されたのでは」と見解を述べ、日本としても解決が速やかに行われるべきで「何らかの目処ということを示されることは重要なこと」だとして、米国の期限を示した姿勢を支持した。これは、マティス長官との会談の中でも意見交換を行ったということで、マティス長官からポンぺオ長官が帰ってきた後に認識を共有をしていく考えが示されたという。
 また、注目される日朝首脳会談についての動きについては、北朝鮮と国際社会との対話の中で「非核化への約束を今後どのようなかたちで遂行していくか、見守っている段階」とのこと。同時に拉致問題の解決については、日朝で直接交渉していくことも重要であり、「安倍総理がリーダーシップを持ち、米側の支援を受けながら、北朝鮮と交渉していくことが大事」だとした。