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自衛隊の19年度緊急発進、過去3番目の947回に
中国機増・ロシア機減の情勢は依然続く
統合幕僚監部は4月9日、2019(令和元)年度の緊急発進(スクランブル)実施状況を発表した。自衛隊は2019年4月から2020年3月までに947回緊急発進を実施。実施回数は前年度よりも52回減少した947回となり、過去3番目の回数となった。
2019年度は、依然として中国機の飛来が頻繁だったことに加え、緊急発進で初めて中国H-6爆撃機などによる沖縄本島-宮古島間(沖-宮間)の通過飛行、Y-9早期警戒機の初視認(※発表当初はY-8早期警戒機と発表)などのほか、ロシア機についてもTu-95爆撃機とA-50早期警戒管制機による領空侵犯事案、Su-34戦闘爆撃機の初目視確認などを特異な飛行として挙げている。
2019年度の緊急発進947回のうち、中国機に対する発進は前年度より37回増加した675回で、全体の約71%を占める。ロシア機に対しては前年度から75回減少の268回で、全体の約28%となった。また、その他の航空機に対する発進は、前年度から12回減の4回で、全体の約1%未満となっている。日本周辺へ飛来した航空機としては、7割が中国機となり、その行動が活発化している状況だ。なお、推定も含んだ緊急発進対象機の機種としては、中国機の中では戦闘機、ロシア機の中では情報収集機に対してが多かったとのこと。
方面隊別、南西空で581回、北空では198回に
※画像=2019年度の緊急発進は過去3番目の947回になった(提供:統合幕僚監部)
※画像=依然として中国機とロシア機が多く、南西航空方面隊や西方航空方面隊の重要性が増している(提供:統合幕僚監部)
※画像=1967年以降の領空侵犯の公表事例2019年度は3回となった(提供:統合幕僚監部)
※写真=当初、Y-8として発表していたY-9早期警戒機。2020年3月23日に初目視確認した(提供:統合幕僚監部)