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2020.04.10

WING

三菱航空機、丹羽新体制が始動

新型コロナの大荒れ下で発足、早期型式照明取得目指す

 三菱航空機の新社長に就任した丹羽高興社長が、その就任挨拶を報道機関に送った。丹羽社長は「三菱航空機は、過去3年間に渡ってグローバル化を進め、今や全世界で約30ヵ国もの外国籍従業員がいる企業へと進化した。日本における初の民間ジェット旅客機への型式証明も、世界中から集まった開発経験者と共に国籍を問わずOne Teamで力強く開発を進めていく」として、チームの結束を呼びかけた。その上で、「多くの皆様が新型ウィルスによる未曽有の事態に直面しているが、当社が一丸となってスペースジェットM90による日本初となる民間ジェット旅客機の型式認定を取得し、更にM100を含め、本事業を持続的かつ収益性の高い事業へと発展させていくことを、私は強く信じている」として、スペースジェット事業の成功に向けて、傾注することを誓った。
 なお、新型コロナウイルスの感染拡大と、その防止に国民全体として取り組まなければならないなか、記者会見ではなく、安全第一を考えて挨拶文送付というかたちをとった。

 

丹羽社長が掲げる3つの「心がけ」とは?

 

 丹羽社長は社長就任にあたり、プログラムの成功に向けて、3つのことをとくに心掛けていくことを明かした。
 その一つ目がやはり、開発中のM90の型式証明の早期取得に向けて全力を尽くすということ。三菱航空機は去る3月18日に、最新の試験飛行機であり、かつ初めての型式証明可能な航空機(Certifiable Aircraft)で、これまでの飛行試験実績の上に、多くの設計変更・改良を加えた10号機の初飛行を完了させ、型式証明に向けて最終段階に突入した。
 丹羽社長によれば、「10号機は6回の飛行を完了。約4万フィート(約1万2000メートル)付近の高高度飛行を含めた飛行性能の確認及び、上空でのエンジン停止・再起動など重要な試験を順調にクリアした」ことを明らかにした。

 

※写真=三菱航空機の社長に就任した丹羽高興氏。写真は三菱重工時代に撮影