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スペースジェット、モーゼスレイクで飛行試験できず
新型コロナ影響、飛行試験センターの活動が限定的に
三菱航空機が開発中のスペースジェットの米国飛行試験拠点である「モーゼスレイク・フライト・テストセンター」が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、飛行試験が実施できない状況に陥っていることが分かった。感染が拡大した米国ワシントン州では、ジェイ・インスレー州知事が州内に自宅退避・健康維持命令を発するなど、航空機産業のメッカで影響が拡大。ボーイングも、ワシントン州内のエバレット、レントンと言った各工場の操業を一時的に見合わせるなど、新型コロナウイルスは航空機産業を直撃している。
三菱航空機としても、州知事の要請などに対応すべく、モーゼスレイク飛行試験センターを限定的なものに抑えている様相で、こうした状況がいつまで継続するのか見定めている状況だ。
三菱航空機としても、世界的に大きな影響が生じている新型コロナウイルスによる影響を、スペースジェットの開発に少なからず影響を受けるものと予想しており、直面する世界規模の危機を前に、耐えるしかない状況だ。
三菱航空機では去る3月18日、設計改修を施して型式証明取得のための最終形態となった10号機が、県営名古屋空港でついに初飛行することに成功。通常ならば、1~2ヵ月程度で米国の飛行拠点であるモーゼスレイクに向けてフェリーフライトをするところではあるが、・・・
※写真=新型コロナウイルスの感染拡大でモーゼスレイク・フライト・テストセンターにおける飛行試験が実施できない状態に。型式証明取得のための完成形態である10号機は米国へフェリーできず日本国内で実施可能な飛行試験を重ねる(提供:三菱航空機)