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2020.04.14

WING

エアバス、新型コロナで航空機生産量を約30%減に

A320は月40機、A350XWBは月6機へと減産

 

 新型コロナウイルスの感染拡大で、エアバスがいよいよ各機種の減産に踏み切る。エアバスのベストセラー機で、大量の受注残を抱えているA320ファミリーについては月平均40機の生産レートへと大幅に減産するほか、A330は月産2機に、A350XWBは月産6機へとそれぞれ減産する。エアバスによれば、この減産でコロナウイルスが感染拡大する前に比べると、生産量は約30%低下するとしている。
 エアバスのお膝元である欧州では、新型コロナウイルスが爆発的に感染を拡大し、多数の死者が発生。エアバスは各国政府の要請に従い、各地の工場の生産を一時的に停止するなど、対応を迫られる事態に陥った。旺盛な航空機需要をと共に、着々と受注残数を積み重ねてきたエアバスだが、昨今の状況を鑑みて各機種の減産へと舵を切った。
 エアバスによれば、2020年第1四半期(1-3月期)に計290機の純受注を獲得することに成功。顧客に対して122機を納入した。同四半期中にさらに60機の機体を生産したものの、新型コロナウイルスの感染拡大が影響したことで、いずれも顧客に引き渡すことができない状態が続いている。
 また、新型コロナウイルスの感染が拡大した3月には顧客に対して計36機の機体を納入したが、2月には55機の機体を納入しており、顧客への引き渡しペースも、かなりスローダウンしている様相だ。エアバスは、顧客が受領時期の後ろ倒しを希望するケースがあることのほか、昨今の新型コロナウイルスの感染爆発に関連したその他の要因を反映した措置としている。エアバスの顧客である世界各地の航空会社としても、新型コロナウイルスの感染拡大で、大幅に需要が低迷していることのほか、入国・渡航制限措置により路線ネットワークが大幅に縮減。各社の財政状況を揺るがす状況になっており、新規の機体受領を後ろ倒しする動きが加速している。

 

※写真=エアバスは約30%の航空機減産を決めた