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悪夢のゴールデンウィーク、予約数は90%減の壊滅状態に
国際・国内線共倒れで活路なし、ひたすら耐えぬく状況続く
航空会社各社は4月22日、今年のゴールデンウィーク期間(4月29日〜5月6日)の予約状況を一斉に発表した。各社の予約数をみてみると、概ね80%台後半から90%台の減少となるなど、かつて見たことがない数字がずらりと並んだ。
ゴールデンウィークは、例年ならば一年のなかでも大きな稼ぎ時として、航空業界が最も盛り上がるシーズンの一つだ。しかし今年は新型コロナウイルスの影響で、その予約は壊滅的な状況に。国際線は各国の厳しい出入国制限によって、そもそも路線ネットワークが崩壊。もはや、むしろどこに飛ぶことができるのかという状況になっている。
これまで航空業界が経験したいくつかの危機のケースでは、航空会社は”仮に国際線がダメでも、まだ国内線がある”、またこの逆も然りと活路をあるいは見出すことができていたかもしれない。しかしながら今回の新型コロナ危機は状況が大きくことなる。政府や自治体による緊急事態宣言が発せられるなか、外出自粛が広がっており、国内線の需要も大きく減退。航空会社は国際線、国内線共に活路を見出すことができず、もはや八方塞がりの状態だ。
大手航空会社の予約状況をみてみると、全日空(ANA)の国際線予約数は前年比96.1%減少。一方の日本航空(JAL)は97.6%減少しており、両社ともに1万人を割る予約数となっている。国内線の予約数はANAが前年比89.1%減、JALは87.3%減となった。
両社ともに国際線の約90%が運休・減便対象となっており、ゴールデンウィーク期間中の提供座席数はANAが89.4%減、JALも94.1%減となるなど、あらためて新型コロナ危機による国際線ネットワークの崩壊が浮き彫りになった。
瀬戸際に追い込まれた中堅・LCC
駆け込み需要も期待できず
新型コロナウイルスの影響で、大手航空会社は未曾有の危機に陥っているが、それ以上に苦しいのは、大手に比べて体力が弱いスカイマークやスターフライヤー、ソラシドエア、AIRDOといった中堅航空会社のほか、LCCなどだろう。すでに全便運休に追い込まれている航空会社もいくつかあって、長引く新型コロナウイルスとの闘いに、土俵際まで追い込まれている。
例えば・・・。
※写真=各社のゴールデンウィークの予約は壊滅的なまでに散々。国際線、国内線ともに悲惨な数字が並んだ。写真は新型コロナの影響で閑散とする成田空港の様子(4月22日撮影)