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2020.04.27

ウイングトラベル

★JTB次期社長に山北栄二郎常務が内定

 グローバル戦略手掛ける、異例の抜擢人事

 JTBは4月24日に開催した取締役会で、3期6年務めた高橋広行代表取締役社長執行役員に代わり、次期代表取締役社長執行役員に山北栄二郎常務執行役員の昇格を内定した。高橋社長は代表権のない取締役会長、田川博己代表取締役会長執行役員は取締役相談役にそれぞれ就任する。6月30日開催予定の第57期定時株主総会、総会終了後の取締役会の承認を経て正式決定する。
 山北次期社長は、JTBグループの構造改革と成長戦略を推進し、その中でもとくにグローバル領域、デジタル領域の変革を加速させる。
 山北氏は、JTBグループのグローバル事業を手掛け、国際畑を歩いてきた。とくに、クオニの買収など欧州への事業拡大に実績を上げており、JTB欧州代表、ヨーロッパの子会社社長やクオニの会長を務めた。今年1月に常務執行役員に就任し、4月に社長内定、6月に就任という異例の抜擢人事と言える。

 

 JTB欧州代表・クオニ会長、海外子会社社長など歴任

 JTBは今後は新社長のもとで、「第三の創業」実現に向けた経営改革を進める。山北氏は、バルビジネスに知見を持つ。
 山北氏のJTB社長就任は、JTBが今後、旅行業からソリューション・ビジネス、グローバル・ビジネスに本格的な転換を図ることを象徴する人事と受け止めている。
 国内旅行で航空会社によるダイナミックプライシングが始まり、OTAの躍進とともに既存旅行会社の方向性が岐路に立たされている。
 その最中に、新型コロナウイルス感染症が世界的流行し、旅行・観光業がかつてない危機的な状況に置かれている。
 そうした中での社長内定だけに、JTBグループだけでなく、旅行業全体が山北氏の経営手腕に注目している。
 高橋社長は2014年6月に就任、3期6年務めた。この間、デジタル化の進展に伴う急速な市場環境の変化に対応するため、抜本的な経営改革に着手。2018年4月には、地域を軸とした分社体制からグループ15社を統合し、事業を軸とした新たな経営体制をスタートさせた。
 同時に「第三の創業」に向けた経営改革を進め、今年はとくに「人財ソリューションビジネス」と「JTBならではTaaS」の2つの事業を本格化し、旅行業からソリューションビジネスへの転換をめざしてきた。
 OTAが台頭化してきた中で、JTBの「リアルエージェント」の存在価値を高めるとともに、ダイナミックJTBをスタートさせるなど、新たな道を模索した。

 

 山北栄二郎(やまきた・えいじろう)次期社長の略歴
◆生年月日
1963年(昭和38年)11月17日
◆最終学歴
1987年(昭和62年)3月=早稲田大学第一文学部卒業
◆略歴
1987年(昭和62年)4月=日本交通公社 入社
1992年(平成 4年)2月=同海外旅行営業部営業計画、マーケティング担当
1993年(平成5年)9月=同首都圏営業本部営業開発、総務担当
1998年(平成10年)4月=同経営企画部 経営企画チーム
2000年(平成12年)10月JTBビジネストラベルソリューションズ経営企画マネージャー
2006年(平成18年)7月=ジェイティービー旅行事業本部グローバル戦略担当部長
2007年(平成19年)2月=Universal Netlink A/S 取締役副社長、NET TRAVEL SERVICE KFT.代表取締役社長
2008年(平成20年)2月=Tumlare Corporation A/S代表取締役社長
2012年(平成24年)1月=Travel Plaza (Europe) B.V. 執行役員事業戦略部長
2015年(平成27年)4月=ジェイティービー執行役員グローバル事業本部副本部長
2017年(平成29年)10月= JTB欧州代表、Travel Plaza (Europe) B.V.取締役社長兼Kuoni Travel Investment Ltd 取締役会長
2020年(令和 2年)1月=JTB常務執行役員(現職)

 

※写真=JTB次期社長に内定した山北栄二郎常務執行役員