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新型コロナ禍の航空会社、座席供給減は底打ちか?
供給量が先週比2%回復、供給量拡大の転換点に
新型コロナウイルスとの闘いは、はや15週目を迎えた。いくつもの危機を乗り越えてきた航空業界だが、コロナ禍の最中、耐えることができずに倒れていった航空会社が複数現れてきた。さらに世界中でいくつもの航空会社達が財政的な危機に直面しており、航空業界は未曾有の危機に直面している。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要の減退や各国政府が講じている厳しい出入国規制の影響で、航空会社は大幅な座席供給量削減をこれまで強いられてきた。そうして迎えた15週目−−−−。これまで留まらなかった航空会社による座席供給量削減の流れは、ついに底に達したのか。
航空スケジュールデータなどをまとめているOAGのジョン・グラント氏によれば、航空会社による供給量削減は「(声を大にして言うことはできないが)底に達している可能性がある」として、「航空会社の定期便座席供給量は、およそ10週間ぶりに増加に転じた」と、ここに来て回復の兆しがみえてきたことを明かした。
グラント氏によれば、「4月最終にあたる今週は、多くの航空会社が慎重に供給量を拡大しはじめており、それに需要がどのように反応するかを航空会社が待ち望んでいる状態だ。航空会社の座席供給量拡大のターニングポイントになる可能性がある」として、航空会社が今後の更なる供給量拡大へと踏み切ることができるか、大きな転換点を迎えているとの認識を示した。
グラント氏は「供給量削減が底を打ったとするならば、それは朗報だ」としつつ、「しかしながら、すでに推定で約3130億ドルもの損失、約4億7200万の予定座席が計画どおりに運航されておらず、航空会社のキャッシュ流出が続いている」として、供給量の拡大は本来あるべき航空輸送の姿に向けた回復の兆しとの見方を示しながらも、依然として今後数ヵ月間に亘りいくつもの段階を踏まなければならないとして、厳しい現状は変わらないことも指摘した。
これまで中国など限られた国の国内線にのみ、わずかながら回復の兆候がみられてきていたが、座席供給量の回復の傾向が「複数の市場で存在することを確信している」という。
「一部の国では、・・・・・・。
国際線シェアが先週比2%上昇
今週は164社が定期便なし
来週も91社が平時の10%未満の便数に
※グラフ=1月20日以降の航空会社の座席供給量推移(提供:OAG)