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ANA20年3月期決算、当期純利益は75%減の276億円
過去最高ムード一変、新型コロナで大幅な減収減益
ANAホールディングスが4月28日に発表した2020年3月期決算(2019年4月1日〜20年3月31日)によると、当期純利益が前年同期比75%減少(831億円減)した276億円と、大幅な減益となった。売上高も4.1%減少した1兆9742億円と減収になったほか、営業利益が63.2%減(1042億円減)の608億円に、経常利益も62.1%減(973億円減)の593億円に留まるなど、大幅な減益となった。
ANAホールディングスの福澤一郎取締役常務執行役員(財務統括責任者)は「第3四半期までの累計売上高は過去最高を更新していたが、第4四半期単独では前年同期比978億円の減収となった」ことを明かした。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、旅客事業では国際線・国内線ともに需要が急速に減退。「とりわけ3月の影響が大きく、旅客数は対前年で国際線が約7割、国内線も約6割減少した」と振り返った。
第4四半期単独では、「営業損益が588億円の損失計上となり、コロナによる減収が大きく影響している」とし、「2019年3月期の第4四半期は84億円の黒字だった」とし、黒字から大幅な赤字に転落したとの認識を示した。第4四半期の最終損益についても、「587億円の損失。前年の第4四半期は34億円の黒字だったことから、マイナス幅としては627億円で着地した」ことに言及した。
「当面の間、資金繰りに全く問題なし」
官民あわせて9500億円の手当に目処
気になるところは、やはり足元の資金繰りだ。新型コロナウイルスの影響で運休・減便が相次ぐ一方で、莫大な現金の流出が続く。
福澤取締役は「当面の間、資金繰りは全く問題ない」との認識を示しながら、「民間金融機関からの借り入れとして約1000億円の借り入れが行われている。さらに、融資枠(コミットメントライン)をこれまでの1500億円に、あらたに3500億円を追加した。都合、5000億円のコミットメントライン契約を実施する」ことを明かした。
加えて・・・・・。
国際線拡大にブレーキ、「成長マイルドも検討」
国内線の重要性を再認識も
機材計画、「より保守的、慎重に対応」
受領先送りや投資抑制も
21年3月期予想、合理的な予想できず「未定」
8月までに収束、年度末までに需要5〜7割に回復見込む
5月末まで一時帰休拡大も雇用維持
新卒採用は抑制せざるを得ず
国際線旅客事業、第4四半期失速で5.8%減に
国内線旅客事業、旅客収入は2.4%減
LCC事業、地勢リスクや新型コロナで苦戦
売上高は12.5%減収の819億円
貨物事業収入、米中貿易紛争で17.9%減
航空関連事業、MRO Japan連結化などで増収増益
旅行事業、売上4.5%減もシステム費用減など増益