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ボーイング、787は22年までに月産7機と最盛期半分
777/777Xは21年に月3機に、民間機の減産相次ぐ
ボーイングは4月29日(米国シカゴ現地時間)、新型コロナ危機に伴う民間航空機需要の減退を受けて、民間航空機各プログラムの減産を表明した。日本の航空機産業が35%のワークシェアを有する787型機については、年内にも現在の月産14機から月産10機へと減産し、その後2022年までに月産7機へと生産ペースを更に減速させていく。加えて日本の航空機産業が21%のワークシェアを持つ777および777Xプログラム合計の生産レートは、2021年には月産3機まで落とす。ちなみに777Xは未だ開発段階であって、777プログラムのみでみると、2020年は月平均2.5機で生産することを計画。2021年から引き渡しを開始する777Xとあわせても、低率生産での生産がしばらく続くことになりそうだ。
ボーイングのデイビット・カルフーン社長兼最高経営責任者(CEO)は「新型コロナショックに伴い、需給バランスを取る。長期的な可能性および競争力を維持するため、複数の民間航空機プログラムで生産率を下げることを決意した」ことを明かした。
なお、現段階では767プログラムおよび747プログラムの生産レートは、変更には踏み切っていない。この点についてカルフーンCEOは、「これらのプログラムは貨物市場を対象としたもの」であることに言及した。
737MAX、7-9月から引き渡し再開
21年中に月産31機まで回復も
また、現在は運航停止中の737MAXは今夏にも運航が再開することが見込まれているが、その生産レートについては、2020年中は低レートで生産。一方で2021年中に月産31機まで段階的に回復することを計画していることを明らかにした。
カルフーンCEOは「市場の需要に対応して、徐々に生産量を増加することを期待している。生産率の上昇がゆっくりとしたものであることは、新型コロナの影響による民間航空機業界の不確実性を反映している」とコメントした。
気になるのは新型コロナ危機で一時は停止してしまった飛行再開に向けた737MAXのMCASソフトウェアの認証作業だ。
カルフーンCEOは「737MAXを安全にサービスに戻すための作業は継続しており、FAAおよびその他の世界的な規制当局と緊密に連携している」ことを強調。「現在、我々はソフトウェアの検証と、・・・・・・。
787大幅減産で日本も大ダメージ
787需要回復には自信も
777X、型式証明取得向けて飛行試験再開
初回出荷は計画通りの2021年
※写真=新型コロナ危機に伴う需要の減退で787型機の生産レートは最盛期の半分に。777/777Xも2021年に月産3機と低率生産が決まった。737MAXは第3四半期からの引き渡し再開を見込む