ウイングトラベル
★ANA決算、当期純利益75%減の276億円
過去最高一変、新型コロナで大幅な減収減益
ANAホールディングスが発表した2020年3月期通期決算は、当期純利益が前年同期比75%減少(831億円減)した276億円と、大幅な減益となった。売上高も4.1%減の1兆9742億円と減収、営業利益が63.2%減(1042億円減)の608億円、経常利益は62.1%減(973億円減)の593億円となり、4-12月期までの過去最高の増収増益から一転して、新型コロナウイルス感染症の影響による1-3月期の赤字業績で、大幅な減収減益決算となった。
ANAホールディングスの福澤一郎取締役常務執行役員(財務統括責任者)は「第3四半期までの累計売上高は過去最高を更新していたが、第4四半期単独では前年同期比978億円の減収となった」ことを明かした。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、旅客事業では国際線・国内線ともに需要が急速に減退。「とりわけ3月の影響が大きく、旅客数は対前年で国際線が約7割、国内線も約6割減少した」と振り返った。
第4四半期単独では、「営業損益が588億円の損失計上となり、コロナによる減収が大きく影響している」とし、黒字から大幅な赤字に転落したとの認識を示した。第4四半期の最終損益についても、「587億円の損失。前年の第4四半期は34億円の黒字だったことから、マイナス幅としては627億円で着地した」ことに言及した。
「当面の間、資金繰りに全く問題なし」
官民あわせて9500億円の手当に目処
国際線拡大にブレーキ「成長マイルドも検討」
国内線の重要性を再認識も
5月末まで一時帰休拡大も雇用維持
新卒採用は抑制せざるを得ず
国際線旅客事業、第4四半期失速で5.8%減に
国内線旅客事業、旅客収入は2.4%減
LCC事業、地勢リスクや新型コロナで苦戦
売上高は12.5%減収の819億円
旅行事業、売上4.5%減もシステム費用減など増益
旅行事業では、国内旅行のパンフレット商材の低迷に加えて、第4四半期には新型コロナウイルスの影響により、国内・海外ともに旅行需要が減少した。
ANAホールディングスによれば、店頭販売を中心とする「ANA スカイホリデー」の取扱高が通期で減少したものの、国内旅行、海外旅行ともにインターネット販売商品の集客が好調だったほか、ゴールデンウィーク10連休の需要を取り込んだことなどにより、第3四半期までは堅調に推移。1月末から新型コロナウイルス感染拡大に伴うキャンセルの増加や新規予約減少の影響を受けたことで、売上高は前期を下回ったという。