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2020.05.05

ウイングトラベル

★5月14日から各地自治体がコロナ制限解除へ

 政府、経済再開への段階的計画未だ示さず

 安倍首相は5月4日の会見で、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を5月末まで延長するとともに、5月14日を目途に感染者数の動向、医療提供体制の状況を見ながら地方自治体ごとに外出自粛、休業要請、学校休校などを制限を解除する方向性を示した。
 ただ、欧米のような制限解除の段階的な指針を今回は示しておらず、14日から感染者の発生が少ないとくてい13都道府県以外の34県などから解除が始まるみられるが、政府として欧米のような明確な段階的制限解除計画の策定が求められる。
 安倍首相は5月を「緊急事態収束のための1カ月であり、次なるステップに向けた準備期間」と位置づけ、本格的な経済再開は6月以降との見方を示唆した。
 コロナの時代の「新たな日常」を早急に作り出すために、専門家が提案した新たな生活様式を参考に、「様々な商店やレストランの営業、文化施設、比較的小規模なイベントの開催などは、人と人との距離をとるなど、感染防止策を十分に講じた上で実施していきたい」と述べ、今後2週間を目途に、事業分野ごとに事業活動を本格化するための感染予防策のガイドラインを策定する方針を示した。
 安倍首相は、都道府県の感染状況の地域差を踏まえて、「各地域で決めることもあり、地方の首長の的確な判断もいただきたい」と述べ、具体的な制限解除については都道府県に任せる考えを示した。
 また、特定警戒13都道府県の制限解除については、「8割の接触回避のお願いをするが、博物館、美術館、図書館などの使用制限を緩和したい」と述べ、まずは公共施設の再開を示唆した。
 東京都、大阪府など特別警戒都道府県は、今月末までの緊急事態宣言の終了を待つまでもなく、経済社会活動再開への具体的な道筋を示すと見られる。とくに、吉村大阪府知事は既に5月15日以降に休業要請などの段階的な解除を検討するとしており、政府が経済再開へのガイドラインを示す前に、独自で行動計画を公表する可能性もある。

 

 雇用調整助成金引き上げ、与党検討踏まえ拡充

 安倍首相は雇用調整助成金の1日上限額8330円の引き上げについては、「事業と雇用を何としても守り抜くとの決意の下で、政府の総力を挙げ、スピード感を持って支援を届ける。家賃負担の軽減、雇用調整助成金のさらなる拡充など、与党における検討を踏まえ、速やかに追加的な対策を講じていく」と述べた。

 

※写真=記者会見する安倍首相(出典:首相官邸公式サイト)