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シンガポール航空、貨物需要対応で客室に貨物搭載
医療物資など緊急輸送需要対応、成田線でも貨物のみ輸送へ
新型コロナ禍の真っ只中で実に旅客便の95%が運休を強いられるなか、大きな問題となっているのが航空貨物輸送だ。通常ならば貨物専用機(フレイター)でなくても、旅客便のベリースペースを活用して空輸することができた荷物が、旅客便の大幅な減便で行き場を失ってしまっている。とりわけ新型コロナウイルスの感染拡大で、緊急医療物資の輸送ニーズが高まりをみせていることのほか、企業や個人によるeコマース需要が急増している。そうしたなか日本でも大手の全日空(ANA)、日本航空(JAL)らが客室スペースを活用した航空貨物輸送が話題になっているが、シンガポール航空もまた、旅客便を貨物専用便として客室まで活用するなど、旺盛な緊急貨物需要への対応を深めている。
シンガポール航空によれば、同社における旅客便のキャパシティは実に96%削減されたとのこと。グループ全体で約200機もの航空機を保有するものの、定期便として利用している旅客機は、わずかに10機のみとなってしまった。それらの旅客機の多くは本拠地であるシンガポール・チャンギ空港に駐機されているほか・・・