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2020.05.07

WING

防衛省、中東の情報収集「きりさめ」派遣10日に

6月前半にも任務引き継ぎ、P-3C故障でベトナム停留

 防衛省・自衛隊は、中東地域で行っている情報収集活動のため、護衛艦「きりさめ」を来る5月10日に出発させる。「きりさめ」は水上部隊第2次隊として長崎県佐世保基地を出港して、第1次隊の「たかなみ」と交代する。計画では、6月前半に任務を引き継いで、情報収集活動を開始する計画だ。
 「きりさめ」の情報収集活動を指揮するのは、第8護衛隊司令の横田和司1等海佐で、艦長は白石豪2等海佐。乗員約200人が同任務に従事する。「きりさめ」に乗艦する隊員は、新型コロナウイルス対策のため、臨時に健康診断を行った上で、出港後も感染予防策の徹底を図る。出港後、同艦艇は約2週間、日本近海で訓練を続ける。艦艇上で同期間の隔離を行うことになる。その後、中東地域へ向かって6月には現地へ到着する見込みだ。
 現在の中東情勢は、緊張が続いている状況ではあるものの、特に大きな変化は見られない。現地の感染症の状況について、防衛省の見解ではジブチや湾岸諸国で感染者が増加している。ジブチでは、感染者が1000人を超え、400人超の人たちが回復している状況だという。
 また情報収集活動の航空隊を兼ねる海賊対処部隊のP-3Cについては、現地の感染症拡大防止対策のため、まずは機体のみの交代となる。この2機のP-3Cは、戻ってくる途中にベトナムで1機の故障が発生したため、そのまま停留しているところ。もう1機のP-3Cは、那覇航空基地へ戻ってきたところ。

 

※写真=10日にも佐世保を出港する「きりさめ」(提供:海上自衛隊)