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2020.05.07

WING

JAL、複数シナリオで資金調達、A350受領計画どおり

受領引延ばし「難しい」、経済的合理性求め投入

 日本航空(JAL)は4月末の決算会見で、新型コロナウイルスの影響で大幅に減退した航空需要に対応するため、2020年第1四半期中の追加資金調達へ向けた金融機関との協議・調整について示したところ。見通しなどの想定が難しく、複数のシナリオから感染症影響の幅を見つつ前広に資金調達を行っていく方針。その中で現在取得を進めるA350は、年内予定どおり受領していく考えを示した。
 会見した菊山英樹専務は、この度の新型コロナ感染症の影響が「過去の例から類推判断できないほどの大きな影響」だと語った。その中で、JALが受領を進めるA350は年5機のペースで受領を計画する。これについて、今年度は計画を変更せず「A350の導入については予定どおり行いたい」考えだ。その理由については「ほとんどできあがっている航空機の受領を引き延ばすことは、実態として難しい」ためだと話した。加えてA350が777の代替機であることも理由に挙げて「運航効率や環境の観点からすれば、更新していくことが経済的にも合理性がある」と述べた。

 

視界不良も雇用維持は「経営の原点」
体制見直しなどで工夫、整備など忙しい状況

 

 感染症の影響については、例えば上期中に収束するパターンや、今年中続くパターンなど、複数のシナリオから、幅広にケーススタディをしながら、資金調達の規模感も含めて柔軟に対応したいという。政府からは公租公課の支払い猶予などの支援プログラムが示されたが、毎週のように供給の計画見直しを行うなど、視界は極めて悪い。その中でJALでは、一時帰休を行わず、雇用を維持する方針を示した。菊山専務は「雇用を守ることは、JALの経営の原点である」と強調した。・・・

 

第4四半期の赤字、「努力足りなかった」
シナリオ次第で公的資金も否定せず

 

※写真=A350の受領は今年度計画どおり実施する