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2020.05.08

WING

航空局、飲酒事案でANA平子社長へ事業改善命令

ORC事案も処分、29日までに再発防止策報告

 国土交通省航空局は去る5月1日に、全日本空輸(ANA)の平子裕志社長へ飲酒事案に関する事業改善命令と運航乗務員に対する不利益処分の伝達を行った。これは2019年11月7日に発生した飲酒事案に対する処分。去年4月に同様の事案で業務改善勧告を行ったが、再びANAで飲酒事案が発生したため、今年5月29日までに再発防止策の報告を行うよう指示した。該当する乗員については、交代のため便が34分遅れたことや、ほかの便にも遅延が生じたとして、航空業務を90日間停止した。さらに加えて、オリエンタルエアブリッジ(ORC)に対しても処分を行った。同じく飲酒事案を発生させたため、ORCに対して文書による厳重注意を行い、5月29日までの再発防止策を報告するよう指示した。
 今回の処分の対象となったANAの飲酒事案は、2019年11月7日の福岡発-羽田着ANA242便で発覚した。同便に副操縦士として乗務予定だった機長が、時間・量ともに超過して飲酒し、乗務前検査で国の基準を大きく超えたアルコールが検知された。ANAでは飛行勤務開始前12時間以内の飲酒を禁止し、アルコール摂取量を2単位(4ドリンク)相当へ制限していた。それにもかかわらず、同機長は量・時間を超えた飲酒を行っていた。また運航規定では、検知器が反応した場合、速やかに乗務管理担当部署へ連絡する手順となっていた。結果として242便は34分遅れで出発し、ほかの運航便にも遅延が生じた。
 しかし同機長は、それとは異なる部署へ体調不良として報告。検査に立ち合った第三者も検知器が反応したことを確認したものの、・・・