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2020.05.13

WING

川崎重工業決算、過去最高売上高も純利益32%減

航空宇宙システム、民間機など好調で営業利益427億円

 川崎重工業が5月12日に発表した2020年3月期決算によると、売上高は465億円増収(2.9%増)となる1兆6413億円と、前年度に続き、過去最高を更新した。しかしながら、利益面では営業利益が19億円減少(3%減)した620億円と縮小。経常利益は25億円増加(6.7%増)した404億円となるも、当期純利益は87億円減少(32%減)した186億円に留まった。
 川崎重工業の金花芳則社長は、「2019年度は航空宇宙システムでは増収増益となる一方、米中貿易摩擦の影響や直近でのコロナウイルス感染拡大に伴い、量産品を中心とした販売減の影響を受けた」ことに言及した。
 川崎重工業によれば、営業利益は航空宇宙システム、車両部門の増益があったものの、一方でモーターサイクル&エンジン、精密機械・ロボットなどが減益となり、全体では減益となった、経常利益ベースでは、民間航空エンジンのTrent1000問題の負担金の減少などにより増益となったが、当期純利益は繰延税金資産の一部取り崩しを行ったことなどにより、減益となったとしている。
 そうしたなか2019年度の航空宇宙システムカンパニーの売上高は、5325億円(18年度:4639億円)と好調だった。・・・

 

20年度通期予想、「全社で赤字の可能性も」
合理的算出困難で予想公表見送り

 

〈民間機分担製造品の売上機数〉
・767型機=34機(18年度:31機)
・777型機=44機(18年度:41機)
・777X型機=9機(18年度:7機)
・787型機=167機(18年度:146機)

 

※写真=航空宇宙システムカンパニーの19年度業績は好調も新型コロナで旅客機が減産となる20年度は厳しい。写真はボーイングのエバレット工場で組み立てられる787。需要減退で最盛期の半分の月産7機まで落とす