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新型コロナ17週目で座席供給減にようやく歯止め、回復傾向
来週は3000万席台突破か、規制緩和で航空会社も再稼働
世界が新型コロナウイルスの感染拡大との闘いを繰り広げるようになった17週目。これまで減少傾向に歯止めが掛からなかったグローバルな座席供給量だが、ようやく底を打った様相で、緩やかながらも回復の兆しが随所に現れてきた。
フライトデータなどを提供している英国OAGのジョン・グラント氏によれば、「最新のデータをみてみると、1週間あたりの座席供給量は2%増加した。分析した17地域の市場のうち、8つの市場で座席供給量は増加傾向にある」ことを明かし、多くの市場の航空会社が、いよいよ座席供給量を回復しつつあるとの認識を示した。一方で、昨年の同じ週と比較すると、昨年の座席供給量を約8000万席下回っているとして、依然、世界の航空会社は厳しい状況に直面していることをあらためて浮き彫りにしていることも強調した。
新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界の航空需要が大きく減退したなか、航空会社各社は運休・減便を通じて座席供給量を大きく絞っている。グラント氏によれば、ここ最近では航空会社が1週間未満というタイムラインで、直前まで座席供給量の調整を行うケースが増えているという。グラント氏の分析では、先週の段階では今週の総座席供給量は約3230万席が計画されていたはずだったが、蓋を空けてみると、今週の座席供給量は2980万席と、およそ8%後退したことを明かした。
そうしたなか現段階で予告されている来週の提供座席数は4230万席あって、今週みられたような水準で座席供給量が減ったとしても、3000万席の大台を大きく突破する見通しにあるという。
ここ数週間に渡って、・・・
※グラフ=座席供給量減少に歯止め。ついに底に達し、世界の航空座席供給量に回復の兆しがみえてきた(提供:OAG)
※表=世界の地域別座席供給量の推移(提供:OAG)
※グラフ=国内線・国際線の座席供給量の割合。依然として国際線は低調で国内線が大半を占める
※表=上位10カ国の座席供給量推移(提供:OAG)