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2020.05.14

ウイングトラベル

★KNT-CT決算、新型コロナで最終赤字74億円

 コロナ直撃300億円減収、12月まで増収増益

 KNT-CTホールディングスが5月13日に発表した2020年3月期の通期連結決算は、売上高が前年同期比6.4%減の3853億6200万円の減収となり、営業損失16億800万円、経常損失14億1500万円、最終純損失74億4300万円を計上、新型コロナウイルスの発生で、2月以降は大幅な減収を強いられ、増収増益見込みから一転して赤字決算となった。ただ、3月24日の業績修正では99億円の最終赤字を予想していたが、74億4300万円に圧縮された。
 それでも、これだけの大幅赤字は1998年度、2009年度(1-12月期、当時近畿日本ツーリスト)に次ぐ過去3番目に多い最終赤字となる。98年度は金融危機による大型倒産やフランスW杯サッカー大会のチケット問題などで126億円、2009年度はリーマンショックによる金融危機、新型インフルエンザ蔓延の影響で84億円の最終赤字を形状した。今回は1月下旬から3月の新型コロナウイルス感染症の影響で、黒字予想から一転して3番めの最終赤字に転化した。
 売上高は、前回予想の3900億円をさらに下ぶれて3853億円を計上。新型コロナウイルスによる減収は約300億円。また、昨年10月の台風19号の影響による減収もあった。新型コロナウイルスによる感染症は1月下旬から国内外で拡大し、国内、海外の個人旅行、団体旅行ともにキャンセルや旅行の出控えが相次ぎ、売上高が大幅に減少した。

 

 今期見通し立たずも「安全健康商品」充実
 需要減退続けば新規借入枠を金融機関と交渉

 KNT-CTホールディングスは、2021年度3月期の通期業績見通しについて、新型コロナウイルスの感染拡大が業績に与える影響を合理的に算定することが困難なことから未定とし、業績予想の開示が可能となった段階で、速やかに公表するとしている。
 同社では、旅行需要の減退が続く場合、新規の借入枠について金融機関と交渉を進めるとともに、同社グループの協力会社への支援策も検討するとしている。
 同社では、旅行業界は旅行の自粛や出控えが収まらず、回復の見通しも見えないが、長期的には訪日外国人の増加が見込まれ、コト消費の拡大、2025年の大阪・関西万博もあり、旅行市場は次第に回復していくと予想している。
 そして、緊急経済対策の官民一体「Go To Travelキャンペーン」で、感染症収束後の旅行需要拡大に向けて態勢整備を進め、「安全と健康に留意した旅行商品」をさらに充実し、総合旅行会社として、観光で国内外の「人の流れとにぎわい」を取り戻し、地域活性化の貢献に努めることを強調した。