ウイングトラベル
★旅行、航空、宿泊など業種別ガイドライン公表
コロナ感染予防しつつ観光の再開へ、指針示す
政府は5月14日、全国に発令していた緊急事態宣言を39県で解除すると発表し、感染予防策を講じつつ社会経済活動が一部再開されるが、旅行業界をはじめ、航空、宿泊、旅客船、鉄道、バスなどの各業界団体は同日、業種ごとの「新型コロナウイルス対応ガイドライン」を公表し、事業活動の再開に向けた対応策の指針を示した。これらのガイドラインでは、従業員と顧客の感染予防を図るため、従業員の健康管理や通勤・勤務時などの対策を示したほか、事業活動のなかで講ずべき感染予防策をまとめている。新型コロナウイルスの感染収束後には、観光や消費活動による経済回復に向けて1.7兆円の予算規模で「Go Toキャンペーン」が展開される予定だが、キャンペーン開始の大前提となるのが感染予防策の徹底であり、ガイドラインの公表は観光の再開に向けた大きな一歩と言える。
「旅行業における新型コロナウイルス対応ガイドライン」は、日本旅行業経協会(JATA)と全国旅行業協会(ANTA)が共同で作成した。また、交通や宿泊などの関連業界でもガイドラインが策定されており、ツアーを企画・実施する際には、それらのガイドラインを踏まえた企画や旅程管理が必要となる。
「航空分野における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」は定期航空協会と全国空港ビル事業者協会、「宿泊施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン」は全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本旅館協会、全日本シティホテル連盟、「ホテル業における新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」は日本ホテル協会、「外航旅客船事業者の新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」は日本外航客船協会(JOPA)、「旅客船事業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」は日本旅客船協会、「鉄軌道事業における新型コロナウイルス感染症対策に関するガイドライン」は鉄道連絡会、「日本バス協会(バス)における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」は日本バス協会がそれぞれ作成した。
■旅行業における新型コロナウイルスガイドライン
非来店・キャッシュレス促進、事前来店予約も
「旅行業における新型コロナウイルス対応ガイドライン」では、新型コロナウイルス収束までの旅行業における当面の対策をまとめた。まず、接触感染と飛沫感染についてリスク評価を行った上で、感染防止対策において留意すべき基本原則として、従業員と顧客、顧客同士の対人距離を確保(できるだけ2mを目安に)、店頭での旅行販売や申込時に密にならないよう来店人数の調整、旅行会社の店舗入口や店舗内への手指消毒設備の設置、マスクの着用、店舗内の換気、商業施設内の店舗は各商業施設のガイドラインに準じた対策の実施、店舗内の定期的な消毒、旅行時の感染防止対策に関する顧客への周知啓発をあげた。
感染予防策講じたサービス提供事業者に手配限定
「三密」回避の旅程管理、ガイディングも工夫
添乗・あっせんなど事業所外の健康管理に留意
法人営業でも通信手段利用し非対面営業を工夫
■航空分野のコロナ感染拡大予防ガイドライン
機内は会話控えマスク着用、機内食等は必要最小限に
空港での対策、列作る場所に間隔の目安表示
症状ある場合は航空便利用を厳に慎むよう周知
■宿泊施設やホテルでのコロナ対応ガイドライン
大浴場は人数制限、食事は一人盛り、料理説明メモ
ビュッフェ方式は小皿提供や個別トングも
体調がすぐれない方の入場を断ると前広に告知
■旅客船事業者のコロナ対策ガイドライン
乗船前の検温や船内施設の集中回避策など
■鉄道、バスに関するガイドラインも
貸切バスでの感染予防策は今後公表か
※業種別ガイドラインの詳細はこちら(URL一覧)
https://corona.go.jp/prevention/pdf/guideline_20200514.pdf