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2020.05.21

WING

提供座席数、コロナ後初の記録プラス成長に

2週続けて増加、地域毎の回復温度差が顕著
 
 新型コロナウイルスの感染拡大で、壊滅的な状況に追い込まれた世界の空のネットワークが、いよいよ本格的に回復へと動き出す―――。フライトデータなどを提供するOAGのジョン・グラント氏によれば、新型コロナウイルスの感染拡大が顕在化した1月20日の週から数えて18週目の今週、「週間の座席増加率は、記録的なプラス成長となった」ことを明らかにした。
 「昨年の同じ週と比較すれば、依然として8300万席少なく、73%少ないままであるが」と前置きした上で、「ここ2週間、継続して提供座席数が伸びている」として、世界の空がようやくポジティブな方向へ舵を切り始めたとの認識を示した。
 来週の座席供給量の見通しについては、「記録的なプラス成長となった今週と同レベルの増加率を示す可能性は低い」とコメント。ただ、その一方で「航空会社はすでに6月に向けて大幅なキャパシティの増加を発表しており、とくにヨーロッパ大陸の主要航空会社では、都市封鎖(ロックダウン)や検疫要件が緩和されていることが追い風になっている」との見解を示した。
 なお、新型コロナウイルスの感染拡大が顕在化した1月20日の週に比べると、未だ213社の航空会社が今週も定期便運航のスケジュールを提出に至っておらず、かつ約1万組の空港ペア間の運航が再開されていないとして、「航空業界は(回復に向けて)明らかに長い旅路を辿るだろう」とコメント。「ただ、少なくとも潮目は変わったように見える」として、底を脱したと分析した。・・・

 

※グラフ=1月20日以降の座席供給量推移。いよいよ回復傾向が鮮明になってきた(提供:OAG)