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テラ・ラボ、長距離無人機の有人機衝突回避能力強化へ
来年度に耐空証明取得、22年度の社会実装を目指す
南海トラフ巨大地震などの大規模災害時に長距離無人航空機を利活用するべく、研究開発に取り組んでいるテラ・ラボ(愛知県春日井市)の松浦孝英社長が5月20日、「2020年度中には、有人航空機との衝突を回避するための取り組みを強化するなど、運用面の検討を行う」方針を明らかにした。さらに、「2021年度には耐空証明を取得し、そして有人航空機と同じ空域を飛行することができるようにする2022年度には、社会実装することを想定している」ことを明かした。
YouTubeを使ったリモート会見に臨んだ松浦社長は、南海トラフ巨大地震という差し迫った危機に言及しつつ、「国は衛星を活用したり、航空機を活用した情報共有システムの構築を目指している。それでは補え切れないシステムの補完を、我々が穴埋めする」と話しつつ、「長距離無人航空機の強みは、衛星や航空機では撮影し切れないリアルタイムデータの情報配信、さらには人が搭乗していないため、緊急地震速報が鳴った同時に発進するようなシステムの開発も可能だ」とし、来る大規模災害に備えて、長距離無人航空機の開発を急ぐ姿勢をみせた。
そうしたなか2020年度の取り組みとして、「有人航空機との衝突を回避する取り組みを強化する」方針を示しており、自機位置のリアルタイム把握やADS-Bの採用、さらには地上管制の強化、米連邦航空局(FAA)の耐空証明の取得、IFR飛行/VFR飛行の対策、そして搭載カメラによる自機周辺状況の把握といった研究開発項目に取り組む計画だ。
具体的には無人機の位置や姿勢情報などをリアルタイムに車両型地上支援システムで把握することができるようにするほか、・・・
翼長最大8メートル機や垂直発射システム開発も
松浦社長、「年度内に本試験機製作」
※写真=テララボは2022年度の社会実装に向けて機体を開発(提供:テラ・ラボ)
※写真=高高度無人航空機で大規模災害発生時の観測ツールに(提供:テラ・ラボ)