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2020.05.27

ウイングトラベル

★中南米最大手LATAMエアラインズグループが経営破たん

 旅客便運航継続、雇用・給与・福利厚生も維持

 中南米最大規模のLATAMエアラインズグループが5月26日(現地時間)、米国連邦破産法第11条(チャプター11)を申請したことを発表した。同社によれば、チリ、ペルー、コロンビア、エクアドル、そして米国の関連会社が LATAMの前身であるLAN航空を経営していたクエト家、TAM航空を有していたアマロ家、そしてカタール航空の支援の下でチャプター11を申請し、債務整理に乗り出したことを明かした。なお、中南米では去る5月10日に、中南米第2の規模を有するアビアンカ航空などを傘下に抱えているアビアンカ・ホールディングスが経営破たん。チャプター11を申請している。
 LATAMエアラインズグループによれば、チャプター11の申請によってLATAMおよび関連会社が新たな環境に対応した事業再編とバランスシートの再構築を行うことができるとしており、持続可能な組織への転換を図ることに言及。チャプター11のプロセスが進行中も、条件が許す限り飛行を継続するとしている。

 

 デルタ航空と急接近、その途上でコロナ危機に

 新型コロナウイルスの感染拡大で、各国政府による厳しい出入国規制が敷かれていることに加えて、大幅な航空需要の減退で、世界の航空会社各社は未曾有の危機に襲われている。これまでにフライビー、ヴァージン・オーストラリア、アビアンカ、タイ国際航空といった航空会社たちが事実上の経営破たん状態に。経営再建中だった南アフリカ航空は経営再建を断念し、南アフリカ政府が新たなフラッグシップを立ち上げることを決定した。その他、国内外の多くの航空会社が政府等の支援を要請して、この危機を乗り越えようとしている。ただ、新たに南米大手のLATAMエアラインズグループも、経営破たんとなってしまった。

 

※写真=LATAMがチャプター11を申請。事実上の経営破たん状態に。運航は継続するほか、雇用も維持する(提供:LATAM)