ウイングトラベル
JATA通常総会開催、田川博己会長が続投
堀坂明弘日本旅行社長が副会長に
日本旅行業協会(JATA)は6月21日に「第62回通常総会」を開催した。総会では2017年度の事業報告と収支決算案、会費未納に伴う正会員除名の件について審議し、原案通り承認した。また、2018年度の事業計画と収支予算に関する報告が行われた。さらに、任期満了に伴う役員改選が行われ、田川博己会長が再任された。また、副会長は菊間潤吾、坂巻伸昭両氏が再任されたほか、新任副会長として堀坂明弘氏(日本旅行社長)が就任した。
田川会長「双方向交流6000万人へ旅行会社の真価発揮」
商慣習のグレーゾーン整備へ積極的に提言
総会でスピーチした田川博己会長は「今年は訪日外国人旅行者数は3000万人を大きく超えることとなるだろう。一方で日本人出国者数も1800万人が見えてきた。2020年にはインバウンド4000万人、アウトバウンド2000万人という双方向交流6000万人の時代を迎えようとしている。そうした中、企画力・提案力・斡旋力・添乗力といった旅行会社の真価を発揮していくいき、マーケットを獲得していくことを今年度の事業計画の骨子とした」と述べた。
その上で田川会長は今後の旅行業界の基盤を固める上で必要なこと。また、観光産業全体が発展していく上で対応すべきこととして、それぞれ3点ずつ挙げた。
旅行業界の基盤に関わることとして1点目として「昨年のてるみくらぶ問題を踏まえて、旅行会社の信頼回復を図っていくこと」を挙げた。田川会長は「弁済金の積み増しやガバナンス強化策を遵守していくとともに、取引の自主的ガイドライン、通報制度の適切な運用を通じて、再発を防止していきたい」と述べた。
2点目として「商慣習のグレーゾーンの整備」を挙げた。「ランドオペレーターの登録制や通訳案内士の制度改定が行われた。これらの制度の定着化に対して全面的に協力していく。また、6月15日にスタートした住宅宿泊事業法(民泊新法)への対応については、合法な魅力的な滞在先について紹介していく取り組みをしっかり進めていく」とした。加えて「異業種や海外OTAが参入し、さまざまなグレーゾーンが出てきている」と指摘。その上で「OTAやシェアリングエコノミーなど新たな商慣習の問題についてはきっちりと業界内で整理して提言を行っていきたい」とした。
※写真=役員改選後のJATA正副会長。写真左から坂巻伸昭副会長、田川博己会長、菊間潤吾副会長、堀坂明弘副会長