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PIAパイロット資格替え玉問題、「怪しげな資格者は解雇」
独立したフライト監視確立、ライセンス取得プロセスに問題も
パキスタン航空に所属するパイロットたちが、他人に受験させて取得した、いわゆる替え玉受験で取得したライセンスで運航していた疑いがあるという問題で、同社は公式ツィッターのなかで6月25日、「パキスタン航空はAAIBの報告書を認め、そこから学んだ対策をすでに講じている」ことを明かした。
同社は「全てのフライトを監視・分析するために、独立したフライトデータモニタリングを確立する」としたほか、「怪しげなライセンスを持つパイロットは全員出入り禁止にする」として、替え玉受験によってライセンスを取得したパイロットたちを解雇することを表明した。同社は「安全性はいかなる商業的な利益よりも重要だ」としている。
この問題の事の発端は、去る5月22日にシンナー国際空港に着陸しようとしていたパキスタン航空のPK8303便が、同空港手前の住宅地に墜落・炎上し、97名が犠牲となった事故。その事故調査の結果、同社のパイロットたちが他人に試験を受験させてライセンスを取得していたことが発覚。一部報道によれば約150名のパイロットが拘束されるなど、パキスタンの空に大きな波紋を呼んでいる。
パキスタン航空はこの件で厳しい対応を講じることを表明しているが、同時に「怪しげなパイロットライセンスはパキスタン航空だけの問題ではない」ともコメント。ライセンスは管轄当局によって発行されたもので、その記録に基づいて有効なものだったとし、ライセンス取得プロセスそのものに問題があるとの認識を示した。
※写真=パキスタン航空は替え玉受験で資格を取得したパイロットたちを解雇。ただ、この問題は替え玉受験で資格が取れてしまう同国の制度設計そのものに問題がありそうだ(提供:パキスタン航空)