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羽田新経路、現運用ベースに技術的検討開始
地元理解なくして機能強化ならず、経路固定化回避へ
国土交通省航空局は6月30日、羽田新飛行経路の固定化回避や、騒音軽減などの前提となる技術的な方策について検討する専門家会議を開いた。この第1回目の会議では、座長に屋井鉄雄(東京工業大学環境・社会理工学院教授)氏を選出。さらに新飛行ルートにおいて、1時間当たり90回の発着を可能とする滑走路の運用を基本とした上で、注目される技術など確認した。同会議は今後数回行って、2020年度には管制および機器の最新技術や、海外空港の事例を参考に、技術的選択肢の洗い出しを行う。
羽田の新飛行経路は2020年夏ダイヤ開始の3月29日から、首都圏空港の機能強化のため運用を開始した。しかし開始以降、新型コロナウイルス感染症の影響で運航が制限されていたにも関わらず、飛行ルート下の関係自治体から、ルート固定化の回避や、騒音削減などの要望が示された。新飛行ルートに関する国やコールセンターへの問い合わせは、運用開始前の実機飛行確認時で1147件、運用開始後の問い合わせ(5月31日まで)が2548件。地域住民の受けたインパクトが非常に大きいものであったことがうかがえる。
国交省では、首都圏空港の機能強化は、関係者の理解と協力を得ることが必要不可欠との姿勢を示していて、機能強化によって実現した羽田の1時間当たり90回の発着数を維持しつつも、より良い方策づくりに向けて取り組む構えだ。
機材側にハードルない選択肢を検討
RNP-AR方式の許可プロセスなど注目