米国防総省、中国の西沙諸島での軍事演習に懸念

緊張緩和と安定維持にとって逆効果と非難

　米国防総省は7月2日（米国現地時間）、中国が7月1日から5日にかけて、西沙（英名：パラセル）諸島で軍事演習を行うことに関して懸念すると発表した。
　国防総省は発表の中で、演習地域は領土および領海係争地であり、南シナ海の係争地域における軍事演習を行うことは、緊張緩和と安定維持のための努力にとって逆効果と指摘。「中国の行動は南シナ海情勢を不安定にするもの」と述べるとともに、2002年に中国も調印した南シナ海領有権問題の平和的解決を明記した「南シナ海における関係国の行動に関する宣言」に反していると非難した。また、この軍事演習は中国の南シナ海進出における行動で最新のものであり、南シナ海を「軍事化」しないという中国の公約や、米国が掲げる「自由で開かれたインド太平洋」の理念とは対照的なものだと語った。
　そして、国防総省は中国の南シナ海における「軍事化」と近隣諸国への圧力を減らすことを企図し、情勢の監視を続けると述べ、「我々は全ての当事者に対し、南シナ海での係争を悪化する可能性のある軍事行動を行わない様に自制を強く促す」と牽制している。