WING
PDエアロ、年内に宇宙港開発着手へ
2024年以降の大型事業機は「有人機」に決定
宇宙旅行用の再使用型サブオービタル宇宙機の開発を目指すPDエアロスペースが、スペースポート(宇宙港)の開発を年内にも着手することが分かった。
PDエアロスペースの緒川修治社長は「関係各所との調整が概ね終了し、年内にも宇宙港の開発に着手できる状態がみえてきた」とし、日本国内における拠点建設に向けた動きを本格化させていく方針を示した。緒川社長は「我々、建設会社、それから飛行試験の日程を踏まえながら、さらには官民協議会の検討事項を踏まえながら、PDAS-X07号機の計画了承を得て、宇宙港として運用していくことを関係先と検討している」ことを明かした。7月14日に開かれたサブオービタル飛行に関する官民協議会のなかで明らかにした。
PDエアロスペースは既報の通り、宇宙港ビジネスを立ち上げることを計画。宇宙港会社をPDエアロスペースの事業の柱の1つとしてスタートすることについて、既に株主合意を得ており、現在推進中の宇宙機開発事業とは別に、「別会社」のようなかたちで宇宙港事業を立ち上げるとしていた。
また、PDエアロスペースは今後開発に着手する大型機の活用方法について、有人機とする方針を固めた。
PDエアロスペースでは、「PDAS-X07」号機の試験に成功すれば、いよいよ微小重力環境実験や大気観測などといった需要をターゲットにした事業展開に着手する。その上で、2024年には大型化した機体で新たな事業化を立ち上げることを目指している。これまでの検討のなかでは有人機とするのか、あるいは無人機として衛星の空中発射母機としての軌道投入機にするのか検討を進めてきたが、このほど「株主との間で有人機を目指すことが決まった」(緒川社長)とし、正式に同社の悲願であった有人機開発へと舵を切っていくことが決定したという。・・・
コロナ影響で100%大樹町で試験できず
コロラド宇宙港と年内に踏み込んだ契約も
※写真=PDAエアロスペースが年内にも宇宙港開発着手へ。サブオービタル宇宙旅行開始に向けて活動を加速している。写真は緒川社長と飛行試験を間近に控えたPDAS-X06号機