ウイングトラベル
★GoToトラベル、需要回復と安全な旅の普及両立
観光庁田端長官「着実な感染防止策で懸念払拭」
観光庁の田端浩長官は7月15日の業界紙会見で7月22日からスタートするGoToトラベル事業について「感染症拡大防止と観光振興の両立を図りながら、安心して旅行をしてもらうという環境の整備に取り組んで行く」と述べるとともに、明確なキャンペーンの参加条件の提示とそれをしっかりと実行していることを周知することを観光事業者に求めていくことで、キャンペーン実施に対する懸念の声を払拭していきたいという考えを示した。
田端長官はGoToトラベル事業のポイントについて「新型コロナウイルスで大きな影響を受けた国内観光需要の回復に向けた政策である一方で、Withコロナの中で安心・安全な旅のスタイルを普及定着させていくことも重要な目的である」と強調。そうした中でGoToトラベル事業の参加にあたっては検温や、健康状態の確認。客室の換気、消毒を初めとした感染症予防対策を実行することを参加条件とすることを決定した。参加条件の詳細については17日に赤羽一嘉国土交通大臣が発表するとした。
豪雨被災地対応、実態把握と支援策を検討
GoToトラベル事業活用の需要回復策も
観光での国際交流再開に向け、着実に準備
海外旅行ガイドライン策定の動きを評価
一方で海外に目を向けるとEU諸国を中心に日本人旅行者の受入を表明する動きが出始める中で業界内から海外観光渡航の早期再開に向けた要望が声高になりつつある。これについて田端長官は「関係業界から海外観光渡航再開に向けた強い要望があることは認識している。また、海外旅行においても感染防止と経済活動の両立を図ることは重要である」と述べた。そうした中で「安心して観光することができるための準備を進めていきたい」と述べた。
観光ビジョン実現へ意欲的な政策立案継続展開
新たな生活様式での旅のスタイル作りに注力
田端長官20日に退任「観光は仕事の原点」
印象に残る政策は国際観光旅客税の創設
国土交通省は7月14日に幹部人事を発表し、田端長官が7月20日付で退任し翌21日付で蒲生篤実総合政策局長が後任として就任することを発表した。田端長官は観光庁長官の退任にあわせて国交省を退官する。
田端長官は会見の最後にこれまでのキャリアを振り返り「旧運輸省に入省してから39年3カ月という長い年月となった。この間、鉄道、航空、物流とさまざまな分野に携わってきた。この中で観光は旅行振興課長、観光地域振興部長、そして観光庁長官を経験するなど、長きにわたって関わってきた分野だ。初めて課長職についたのが旅行振興課長だった。当時は9.11テロが発生し海外旅行の需要が落ち込み、旅行業界が一体となってアウトバウンドをいかに回復させていくかという点で色々と取り組む中で業界関係者からさまざまなことを教えてもらった。観光産業は自由で意欲的な事業活動をする業界であり、マーケットインの発想で業務を遂行していくというスタイルは私の仕事のやりかたの原点となっており、これを教えてくれた観光産業界には非常に感謝している」と語った。
※写真=最後の観光庁長官会見にのぞむ田端浩長官