記事検索はこちらで→
2020.07.21

WING

防衛省、7月豪雨災害派遣で貴重な種豚移送

陸自UH-60JAで孤立養豚場から27頭救出

 防衛省・自衛隊は九州7月豪雨の災害派遣で去る7月16日、土砂災害によって孤立した球磨村淋地区の養豚場から貴重なブランド豚原種27頭を陸上自衛隊第8飛行隊のUH-60JAヘリ1機で輸送した。会見で河野太郎防衛大臣は、「普通の豚ならそうならないかもしれないが、極めて価値の高いものだということで、今回お受けした」と説明。国民の人命だけでなく、財産を守る活動も積極的に行っていることを示した。
 輸送方法は、豚をフレコンバッグに入れて、安全なところまで移送した。獣医が豚へ鎮静剤を注射して、落ち着いたところで空輸を行った。河野大臣の説明によれば、過去の似たような事例では新潟県中越地震の時に、山古志村の錦鯉の輸送について要請を受けたことがあるという。しかしこのときは、バッグから水が漏れてしまったため、輸送に至らなかったという。災害派遣で貴重な家畜を輸送した事例は「聞いたことがない」として、自衛隊としても初めての任務となったようだ。

 

19日災害派遣で、人員約1990人が活動

 

※写真=球磨村淋地区の養豚場から種豚を移送する陸自UH-60JA(提供:統合幕僚監部)