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2020.07.21

WING

昨年1年間で世界の空港を91億人利用

利用客数は3.5%増、貨物取扱量は2.2%減

 世界空港評議会(ACI)は7月20日(モントリオール現地時間)、2019年版「ワールドエアポートレポート・データ・セット」を発表した。このレポートは世界180カ国2565空港を対象としたデータが含まれているもの。それによれば、2019年は対前年比3.5%増加した約91億人もの旅客が世界各地の空港を利用したほか、貨物取扱量は2.2%減少した1億2000万トンだったという。
 昨年1年間の旅客取扱量は全体で91億人に達したが、ACIの調べでは国際線旅客数が対前年比4.1%上昇し、国内線旅客数も2.4%増加しており、とりわけ国際線旅客数が力強い成長をみせた一年だったという。世界経済を取り巻く様々な不確定要素が散見されたなかで国際線、国内線ともにプラス成長を記録した一方、2009年以降のデータと比較してみると、最も伸び幅が小幅に留まった年だったという。
 また、「2019年も航空業界の重心が東へシフトし続けてたことを示した」と分析。航空先進国地域である西側の欧米中心の成長から、経済成長が著しいアジア太平洋地域へと、航空業界の成長の重心がシフトし続けたことにも触れた。
 ACIによれば、「世界で最も急成長している大規模空港のほとんどはアジアに位置する」としており、「500万人以上の旅客を有して急成長している30空港のうち8空港は、中国とベトナムの2カ国に位置していた」ことを明かした。
 また貨物取扱量はマイナス成長となったが、これは2000年代後半から2010年代初頭まで続いた第二次大戦以来最悪の景気後退局面である「グレート・リセッション」以来、最悪の年だったという。米中貿易摩擦の影響や新たな貿易規制、さらには景気に対する先行き不安などから消費が低迷したことなどが航空貨物の冷え込み要因となった。

 

持続的な成長から様相が一変
オリベイラ事務局長、空港に政府の直接支援を

 

※写真=昨年一年間で91億人が空港を利用するもコロナ危機で状況が一変。ACIは各国政府に空港支援を呼びかけ続けている