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2020.07.28

ウイングトラベル

★今こそ持続可能な観光地マネジメントが必要に

 本保UNWTO駐日代表、APTECにセンター設立

 国連世界観光機関(UNWTO)の本保芳明駐日事務所代表は本紙インタビューに対し、専門機関の特権・免除に関する条約の附属書が7月20日に発効し、同事務所が法的地位を取得したことを受けて、「新たにAPTECサステイナブルツーリズム推進センターを設立し、エビデンスベースのKPIを活用した持続可能な観光地マネジメントへの取り組みが進むよう、自治体やDMOなどへの支援を強化していく」との方針を示した。観光庁は、国際基準に準拠した「日本版持続可能な観光ガイドライン」を6月に策定、今年度は5カ所でモデル事業を実施する。また、UNWTO駐日事務所は、一般財団法人運輸総合研究所とともに今後2年間にわたって持続可能な観光をテーマに調査研究を行い、産官学での連携を強化し、持続可能な観光地マネジメントを国内外で推進していく方針だ。
 とくに、コロナ禍で観光産業と観光地はどこも深刻な打撃を受けているが、「これまで著しい勢いで伸びてきたインバウンドがストップし、一度ゼロの状態に戻った。政府はもとより住民を含めてあらゆるステークホルダーが、観光がある状態とない状態を比較して、何が必要で何がいらないのかを見直していると思う」と指摘。今後のインバウンド再興に当たっては、「原点に立ち返り、地域住民や地域に寄り添った持続可能な観光地を作っていかない限り、受け入れられないのではないか」として、コロナ禍を経験した今だからこそ「持続可能な観光地マネジメントにきっちり取り組むべきタイミングだ」との考えを強調した。

 

※写真=インタビューに応える本保芳明UNWTO駐日事務所代表