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ANAHD、四半期決算最大の損失、営業損失1590億円
コスト圧縮も減収拡大、コロナ続き予想算定できず
ANAホールディングス(ANAHD)が発表した2021年3月期第1四半期(2020年4月1日~6月30日)決算は、売上高が前年同期比75.7%減の1216億円となり、営業損失が1590億円、経常損失が1565億円、四半期純損失が1088億円となって、四半期決算としては過去最大の損失を計上した。新型コロナウイルス感染症の拡大影響で、航空旅客需要が著しく減退し、売上が大幅に前年同期を下回った。会見した福澤一郎取締役常務執行役員(財務統括責任者)は、今年度の感染症の影響について「8月に収束する前提で見ていたが、それが確実に遠退いている」と、不透明感が増している状況を説明。「合理的に算定できない」として、通期の連結業績予想を見送った。
国際線旅客事業は、今年3月にWHOがパンデミック宣言を発出し、その後は需要が減退したままとなって、旅客数が前年よりも96.3%減少した。国内線旅客事業でも、政府による緊急事態宣言が4月7日に出され、以降は需要が一段と減少。5月になってからは、段階的に制限が解除されて、回復傾向に向かったが、旅客数は88.2%減少となった。旅客需要は激しく減退し、旅客便の運航便数の縮小を余儀なくされた。しかし一方で国際線貨物事業は、旅客便の縮小によって、世界的に需給バランスが逼迫。ANAグループでは臨時便の設定や、大型フレイター機の活用などで積極的に需要の取り込みを図って、ほぼ前年並みの収入を確保できた。・・・
中間決算時に「見通し開示できれば」
8月の回復厳しく、IATA算定に沿った想定
2550億円規模のコスト削減可能
CFの流出ストップが課題、さらなる削減策も
航空事業の損失1537億円、国際線収入94.2%減
国内線は86.5%減、国際貨物は単価回復し健闘
旅行事業の損失27億円、海外のツアー催行中止
※写真=四半期決算として、過去最大の損失を計上した