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2020.08.03

ウイングトラベル

★旅工房、20年3月期連結決算は増収減益に

 売上高過去最高もコロナのキャンセル収益圧迫

 旅工房が7月31日に発表した2020年3月期(2019年4月〜20年3月)連結決算は売上高が前期比14.0%増の333億5500万円、営業利益が58.4%減の1億3800万円、経常利益が56.7%減の1億3800万円、当期純利益が53.5%減の8800万円と増収減益となった。第3四半期までの業績が好調に推移したことから売上高は過去最高を更新した。その一方で第4四半期は新型コロナウイルスの影響で各方面でツアーの最高を中止したことや業務渡航や団体旅行のキャンセルが相次いだ。そうしたことから申込キャンセルの手数料負担が増加し売上総利益率が悪化した。さらにシステム・マーケティング関連投資の支払い手数料が増加したことにより利益は減少する結果となった。
 なお同社は5月に法人営業部門の従業員による不正発覚を受け外部調査チームによる調査や過年度の会計処理の検証、影響額の精査などを行ったことにより、決算発表が期末後50日を超えての発表となった。あわせて今回の不正行為に伴い2018年3月期以降の決算数値の訂正を行った。

 

 国内旅行の販売本格化で事業体制を再構築
 ガバナンス強化や12億円の資金借入も実施

 2021年3月期については新型コロナウイルスの盛況により情勢が日ごとに変化する中で現時点で合理的な業績予想の算定ができないため、業績予想については未定とした。
 足元の取扱高の状況を見ると、今年3月以降取扱額が急激に縮小。2月の取扱額は31億3400万円だったものが3月は8億5200万円と大幅に縮小。さらに4月は2300万円、5月は1800万円となるなど経営環境が悪化の一途を辿っている。
 そうした中で同社は事業継続に向けて「事業戦略の見直し」「ガバナンスの強化」「費用の削減・資金の確保」の3点を柱にさまざまな取り組みを展開していく。
 事業戦略の見直しについては国内旅行商品の販売を中心とした収益の獲得を最優先とする。さらに徹底的な費用対効果の追求を図るとした。