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2020.08.05

WING

ヴァージン・ギャラクティック、超音速旅客機の初期設計完了

マッハ数3で高度6万フィート以上を飛行

 ヴァージン・ギャラクティック・ホールディングスは8月3日(現地時間)、同社が開発を進めている超音速旅客機の初期設計を固めたことを発表した。さらに、ロールス・ロイスとの間で、同機に搭載するエンジン推進技術の設計・開発に向けて、拘束力のない覚書(MOU)を締結したことを発表した。ロールス・ロイスは過去に超音速旅客機「コンコルド」搭載用エンジンの開発に成功した実績を有している。
 ヴァージン・ギャラクティックは同社の超音速旅客機の初期設計基本パラメータについて、飛行速度をマッハ数3としたほか、デルタ翼設計としており、高度6万フィート以上(約1万8000メートル)を飛行する。乗客乗員9名~19名の規模を想定して、ビジネスクラスやファーストクラスの座席配置など、顧客ニーズに対応するためのカスタムキャビンレイアウトを組み込むことができるようにする。さらにこの機体では、持続可能な航空燃料を利用することを想定する。
 ヴァージン・ギャラクティックはミッションコンセプトレビュー(MCR)の初期設計マイルストーンを成功裏に完了したとしており、「米連邦航空局(FAA)の新コンセプト・イノベーションセンターから、ヴァージン・ギャラクティックと協力して認証フレームワークの概要を策定することを承認されたことに続くもの」と評価している。
 開発チームは初期設計を終えたことから、次のステップへと進むことが可能と結論付けており、次の段階では具体的なシステムアーキテクチャと構成を定義するほか、航空機の設計・製造に使用する材料なども決定する。さらには熱管理、メンテナンス、騒音、排出ガス、経済性など、日常的な商業運航に伴う重要な課題にも取り組んでいく方針だ。・・・

 

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超音速機開発は加速するか

 

※画像=ヴァージン・ギャラクティックは超音速旅客機の初期設計を完了した(提供:ヴァージン・ギャラクティック)

※画像=超音速旅客輸送はポスト・コロナ時代の新たな航空輸送としても注目されそうだ(提供:ヴァージン・ギャラクティック)

※画像=ヴァージン・ギャラクティックは開発を次のステップへと推し進める(提供:ヴァージン・ギャラクティック)