WING
エアロセンス、垂直離着陸固定翼ドローンの販売開始
一年間で100機目標、土木・点検・農業など需要見込む
エアロセンスは8月6日、垂直離着陸型(VTOL)固定翼ドローン「AEROBO Wing」(AST-VT01)の販売を、今年10月から開始することを発表した。10月末には顧客への機体引き渡しを開始することができるようにする。同日、都内で会見に臨んだエアロセンスの佐部浩太郎社長は「一年間で100機を販売する」との目標を掲げており、土木分野の計測作業、山間部の送電線・鉄塔など各種インフラ点検、精密農業、そして物流などの分野への売り込みを図る考えを明らかにした。
エアロセンスが市場に投入した「AEROBO Wing」は、垂直離着陸型固定翼機ということで固定翼機でありながらも滑走路がなくても離着陸することができる。最大で時速100kmという高速で移動することができるほか、航続距離も50kmと足が長いことなどが特長だ。さらに機体はセルラー通信(携帯回線)を使って運用管理することで、全国各地で安定して運航することができる。
佐部社長は「既存のマルチコプタードローンは飛行時間が短く、なかなか遠くまで飛行することができないという課題がある。この機体はマルチコプターのようにホバリングし、簡単に運用することができる。水平飛行することで、長時間、遠方まで運用できる」と説明。「(マルチコプタータイプに比べて)圧倒的に広域をカバーする力がある。通常のドローンの4倍のスピードで、倍以上の飛行時間を有している」と話し、その能力に自信をみせた。
その上で「リモートセンシング市場は巨大だ。2025年には2.5兆円に達する」との見通しを示しつつ、「このなかには衛星やヘリコプターなど、衛星や有人機を活用したリモートセンシングが含まれているが、今回導入するVTOL型ドローンは、その一部を置き換えていく運用能力を備えている」とコメント。「国内のドローンソリューションも、測量、物流、点検、農業などで着実に市場が伸びている。その一端をこのユニークなソリューション(AEROBO Wing)が担っていくことは間違いない」と話した。
なお、機体本体価格は550万円(税込)。この価格は機体のみの価格で、操作端末PC、プロポ、バッテリー、収納ケースは別売りとなる。
ボディは軽量高強度なFRP製
セルラー通信網利用で目視外利用に
創業5年目で悲願の固定翼機販売開始
ドローン社会実装進み固定翼に商機