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2020.08.17

WING

日本空港ビル第1四半期、コロナ禍で売上87%減

174億円の営業赤字に、コスト減も旅客減少深刻

 日本空港ビルデングが発表した2021年3月期第1四半期(2020年4月1日〜6月30日)決算は、売上高が前年同期比87%減の87億6700万円で、営業損失174億6700万円、経常損失188億4000万円、四半期純損失97億1000万円と赤字決算となった。年頭ごろから世界的に猛威を振るう新型コロナウイルス感染症の影響で、航空需要が著しく低下。緊急事態宣言下にあった4・5月には、羽田空港国内線の旅客数が90%以上減少し、国際線では渡航制限もあって旅客数が95%以上も減少したため、施設利用料収入や、商品売上高、飲食売上高が落ち込み赤字となった。連結業績予想については、航空需要の回復見通しを見極めることが困難であるため未定とした。
 同社では、大幅な収益減少に対応して各コスト削減策を実施。羽田空港の旅客便の大幅減便に伴って、国内線では4月17日から6月30日まで第1ターミナル北側エリアを閉鎖し、第2ターミナルでは南側の出発カウンターや保安検査場などを閉鎖した。国際線では3月23日から、第3ターミナル北側保安検査場を閉鎖し、さらに4月11日から第2ターミナルの国際線施設を閉鎖して、運営管理費用削減を図った。それとともに、役員報酬の一部返上などによる固定費削減を実施したほか、外部委託の内製化などによる費用見直しを図った。
 しかし、2020年夏ダイヤ開始以降の国際線発着の拡大に備えたターミナルの整備事業によって、減価償却費が増加し、さらに航空会社やテナントに対して家賃減免施策を実施した。そのため、大幅な売上の減少と併せて営業赤字となった。

 手元流動性確保する資金調達、事業継続へ
 200億円の短期借入枠も新規設定
 施設管理運営、国際線機能強化で減価償却費増
 物品販売は96.4%の収益減、免税店臨時休業など