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需要崩壊の夏、国内線旅客数は47.5%~85.6%減
飛べない国際線、大手国際線旅客数は90%超減
本邦航空会社各社が8月17日、一斉に今年の夏季繁忙期(8月7日~16日:10日間)実績を発表した。言うまでもなく今夏の繁忙期実績は惨憺たる数字ばかりが並び、新型コロナ禍にあって、夏の航空需要は完全に崩壊してしまったかたちだ。国内線旅客数は対前年比47.5%~85.6%減となるなど、各社の減少幅に開きはみられるものの、いずれも目の当てられないような数字に。一方、国際線に至っては各国政府の厳しい出入国制限措置で運航することすらできない会社もみられ、大手2社(ANA、JAL)の国際線旅客数でさえ、前年比96%~97%減と目を覆いたくなるような数字となった。
政府の緊急事態宣言が解除された5月25日以降、国内線は需要回復の兆しが確かにみえていた。航空会社各社も夏の国内線予約に手応えを感じ始め、国内線座席供給量回復へと舵を切った。国際線は相変わらず各国政府による厳しい出入国制限が続き、ほとんどの路線で運航することすらできない状況。そこで各社は国内線に光を見出し、なかには国内線の座席供給量を前年並みにまで戻した航空会社もあったほどだった。
ところが7月に入ると状況が一変。東京を中心に新型コロナの新規感染者数が急増したことを端緒に、全国各地で感染者数が拡大。その影響で政府肝煎りの観光振興策「Go To Travel」キャンペーンも迷走し、いざキャンペーンがスタートするも、自粛ムードの広がりで夏の旅行・航空需要喚起には繋がらず。結果として、航空会社各社が当初期待した夏の需要とは大きくかけ離れたかたちとなってしまった。航空各社は予約が思うように伸びないことから、お盆を含めた夏季繁忙期期間の追加減便を発表するところも散見された。・・・
苦しむ中堅キャリア、LCCの需要も壊滅
9月も厳しい見通し、減便・運休便が拡大傾向
※写真=夏季繁忙期期間中の羽田空港第1ターミナル。新型コロナ禍にあって静かな夏となった(8月14日撮影)
※写真=国際線がほとんど運航されておらず羽田第3ターミナルも閑散としている(8月14日撮影)
■ANA夏季繁忙期、国内線旅客は69.6%減
コロナ影響で伸び悩む、国際旅客も96.1%減
※写真=ANAの夏季繁忙期実績は国内線旅客数が69.6%減、国際線は96.1%減少した
■JAL夏季実績、渡航規制で国際線旅客97.1%減
国内線は回復鈍く利用率49.6ポ減の37.1%
※写真=夏季繁忙期は国内線・国際線ともに感染症の影響で低調。国際線の旅客数はゼロベースに近い状況